2014年をモノで振り返る
昨晩、土浦で馬組合の同志との宴を終えた朝、2014年を振り返ってみる。まず個人的に大きく挙げなければならないのは4月の入院だ。突然の吐血に2週間の入院、1週間の自宅療養で計3週間の戦線離脱。最初の一週間は点滴のみで断食。そして病室で観た桜花賞、皐月賞。今は普通に生活しているが、入院中と直後は不安で一杯だった。体の無理がきかない40代を痛感。家族にも迷惑を掛けた。人生は長期戦だ。一時の感情、強行がのちにボディーブローとなって返ってくる。その経験を後輩に伝えるが、それを実感するのは同年代になる頃なのだろう。
入院の間、ITデトックスの如く、アナログ生活を経験した。活字メディアの重要性、その一方でニュースアプリ系の情報垂れ流し状況を感じた。所詮、心、記憶に残るのは想像力を掻き立てるものだ。そしてYahooニュースとヤフコメで世論が動いているような錯覚に陥るが、実際はかつて筑紫哲也氏が言ったインターネット論に行き着く。その当時は世間で反感を買った言葉だが、先を見据えたものだった。重みのない言葉に明日はない。
そんな時代に助けられたのが現政権だ。アベノミクスという魔術は解けたものの、その余勢をかって低投票率と連立パワー、消費税率10%延期、突然の解散で野党を出し抜いた。何をやろうが構わないが、議論無くして推し進める思想は怖い。ブレーキ役が連立する党頼みとは本意でないが、今はないよりはマシ。宰相の思惑通りに進むか、何かが起こるのか。一寸先は闇。世界は日本を中心に回っているわけではない。経済、軍事とパワーバランスが崩れつつある今、足許に迫る波に注意しなければならない。
そんな2014年、心を捉えたモノたちは何であったか?
ダービースタリオンの最新作が3DSで発売されるとあって、これまで持っていなかった3DS、New3DSLLを購入した。3DSとLLと選ぶのに悩んだが、解像度よりも画面の大きさが重要と決断。実際、それで良かった。3DSLLは家族共用。ほぼ一日中、自分のダビスタか、息子と妻の妖怪ウォッチのいずれかが稼働している。それゆえバッテリは毎日充電しなければならない。世間ではニンテンドー亡国論が出ているが、我が家でそんな兆しはしばらくなさそうだ。
テレビもリプレイス。ソニーKDL-42W802Aになってサイズアップと解像度が向上。さらに3D対応も興味深い。映画を観るのが楽しくなった。4Kには及ばないものの、暫くはこれで十分。
今年観た映画は映画館で10本、テレビで16本位。数少ない今年公開作を振り返ると、選んで観ていた事もあってハズレは無かった。それぞれに良さがあり、順位を決める事は難しい。タイトルと短評は以下の通り。
「ラッシュ/プライドと友情」はストイックなF1パイロットの姿と迫力のレースシーンが秀逸。「X-MEN:フューチャー&パスト」はもう一つのMARVELアヴェンジャーズ、余裕と豪華さ。「オール・ユー・ニード・イズ・キル」は日本生まれプロットの面白さ。「GODZILLA ゴジラ」は怪獣DNAの復活。ただハリウッドライクな作りが玉にキズ。「猿の惑星:新世紀(ライジング)」はリブートシリーズの成功例。「ジャージー・ボーイズ」は御大イーストウッド健在ぶりにオールデイズが心地いい。D・ワシントンが無敵オヤジに挑戦した「イコライザー」。壮大なSFドラマ「インターステラー」。「フューリー」は戦車バトルとラストシーンの虚しさが。観客のパーソナルな面に迫る極上サスペンス「ゴーン・ガール」。
一方、テレビで観た作品はハズレを見込んで劇場を回避したものも少なくない。だから観た半分はバツだった。良かったもの(及第点以上含む)だけタイトルを挙げると「世界にひとつのプレイブック」「オブリビオン」「クロニクル」「グランド・イリュージョン」「悪の法則」「エリジウム」「ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」「キャプテン・フィリップス」「僕らのミライへ逆回転」といったところ。
個人的には日本映画界、二人の大スターが亡くなった事が寂しい。最近、健さんの「単騎、千里を走る」と文太さんの「太陽を盗んだ男」を観たが、二人のスター性と個性の違いを感じた。健さんはどんな映画でも高倉健であり、秘めたる闘志に溢れている。「ゴルゴ13」や「新幹線大爆破」「ブラックレイン」でアクションも魅せた。文太さんは静と動のバランス、弾けた時の躍動が魅力。これは文太さんの「仁義なき戦い」「トラック野郎」にも共通する。そして二人とも唯一無二の輝きを放っていた。改めて合掌。
日本競馬、JRAは60周年に沸いたものの、内容的には如何なものか。ドバイデューティーフリーの圧勝でレーティング世界一の座に着いたジャスタウェイ。ただ一方で凱旋門賞の惨敗。JC、有馬記念の不完全燃焼と物足りなかった。有馬を勝ったジェンティルドンナはどうだろう。抜群の瞬発力で引退レースを飾った事は素晴らしいが、条件戦以下の勝ちタイムは最強メンバーの有馬記念に疑問を投げかける。香港、ドバイ、ヨーロッパ遠征で日本の古馬路線は空洞化。ただ馬のレベルアップに人のレベルが追いついていない事は凱旋門賞、チームジャパンの惨敗が示す。日本競馬の迷走の年だったのかもしれない。
今年最もハマったのはディスカバリーチャンネルだ。「名車再生!クラシックカー・ディーラーズ」に始まり、「怪しい伝説」「THE NAKED」「ベーリング海の一攫千金」他、好奇心をくすぐる強力コンテンツが多い。インターネットを始め、メディアが乱立、地上波が迷走する中、質の高い番組群はCS有料放送の強み。来年以降も契約したい。
さて最後は来年に向けての展望。今年もスマホには手を出さず、ガラケーを通した。そんな時、外出先、世間でのiPhoneの浸透度に驚かされる。Macは敷居が高いと敬遠されたのは過去。iPhone、iPadで敷居を取り壊し、一般ユーザーの取り込みに成功。そんな今のAppleの姿に違和感を感じるのも確か。先のITデトックスの頃、「いつも繋がらなくてもいいじゃん」と割り切った。固定費の高いiPhoneを買うのはまだまだ先。ディスコンの噂のあったiPod touchの次世代が出ればそちらに乗り換えたい。それにMacbook Airもあるし、他にやりたい事は山ほどあるのだから。
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