第93回凱旋門賞を観る
今年の凱旋門賞が終わった。脱力感に溢れた瞬間、日本馬3頭の完敗に打ちのめされる。それより見覚えのあるトレヴが勝った事、2連覇の偉業に驚かされた。地の利を発揮して自国開催GIジャパンカップに敵無しの日本馬もフランス、ロンシャンでは”お客さま”。現在の日本では未経験の20頭立ての超多頭数、一見日本馬向きと言われた高速馬場は全て勝利に向け逆へ働いた。
ゲートが開くと間もなくハープスターは指定席の最後方、ゴールドシップは追う事無くその後ろへ。ジャスタウェイは先団馬群後方につけてレースは進む。トレヴは馬群先団5、6番手につけている。結果を知った今なら言えるトレヴはひたすら死んだふり。そしてしたたかに内側の経済ケースを通っていった。レースは日本で言う淀み無きペース、フォルスストレート、そして真の直線へ進んでいく。
直線最も伸びたハープスターはいつもの最後方、大外一気で末脚は魅せたが力足らず。ジャスタウェイは内の経済コースを通ったものの先団に届かず。高速馬場が祟り、ゴールドシップは馬群に沈んでいった。トレヴの今年の勝ちタイム、2分26秒05での決着は昨年の2分32秒台より速く、道中ロス無きジャルネの手綱さばき、大舞台に復活を実現した陣営が素晴らしい。ましてトレヴは去年のアドバンテージがない58キロの斤量。日本最強馬オルフェーヴルを封じた力は健在だった。
敗因。日本馬3頭の位置取りもさることながら、フランスでステップレースを使えなかった事は意外と大きい。馬場への適応をみる上で戦略は変わるからだ。ぶっつけのディープインパクト、その結果を2着惜敗に引き寄せたオルフェーヴルの経験が活かされなかったのは残念。ただ責められないのはゴールドシップ、ジャスタウェイは個人馬主だし、ハープスターはクラブ馬でコスト面のリスクは否めない。今更タラレバは禁句。それより川田のお尻ぺったん騎乗はヨーロッパで非常にみっともなく見えた。
猛烈な脱力感の後、日本馬惨敗にノックアウトされたフジの地上波からBSのグリーンチャンネルへ。冷静な合田直弘さんのレース回顧を観つつ、台風による豪雨で電波量不良、ほぼ視聴困難となった。まるで天候が日本の競馬ファンの涙雨に感じたのは自分だけだろうか。
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