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2014/08/20

「オブリビオン」を観る

 連休最終日の朝、WOWOWで録ってあった「オブリビオン」を観た。「トロン:レガシー」を撮ったジョセフ・コシンスキーがメガホンをとり、主演トム・クルーズ昨年夏の大作。今夏公開された同じトムの「オール・ユー・ニード・イズ・キル」のド派手さに比べ、何処か詩的に進む本作だが、モーガン・フリーマンによる助演は何故かB級臭さを漂わせるのに気付いたのは私だけだろうか。

 2077年。地球はスカヴと呼ばれるエイリアンの侵略に勝利するも、人類は多大な被害を受けた。ジャックとヴィクトリアは無人捜査機のメンテナンスと生き残ったスカヴ要撃が任務。ある日、飛来物体を追ったジャックはそこに夢に見ていた姿を見つけてしまう…物語は構成の妙だが、残念ながらいろんなSFの寄せ集めに感じてしまう。終末論、宇宙ステーション「テット」の存在、記憶と自分の存在。劇場では退屈したかもしれないが、テレビで観る分それ程では無かった。

 本作の見どころはビジュアル。製作費のほとんどがトムのギャラとビジュアルに使われたのは想像に難くない。コシンスキー監督の「トロン:レガシー」も映像が素晴らしかったが、本作でもその手腕を発揮している。夜にそびえるタワーの灯りが妖しく、プールのシーンを彩る。ドライで生活感の無いタワー内部も物語の行く末を暗示している。対照的に荒廃した未来絵図も実在感があり、それがあるからこそジャックの拠り所がパラダイスに感じることができる。

 かつて「バニラ・スカイ」を観た頃、トム・クルーズとSFに不一致を感じたものだが、近作になるほどSF作への出演が増えている事に気づく。スーパーヒーロー・トムにとって現実も虚構も関係はない。そして退廃的なSF作には北欧美女が良く似合う。その点でオルガ・キュリレンコのキャスティングは絶妙だ。モノクロ画面で美しさはより伝わる。かつて"ボンド・ガールは出世しない"と言われたものだが、彼女には期待したい。

140820

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