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2014/04/22

二週間入院して退院する

140422

 4月某日、朝から続いた気持ち悪さは頂点を迎え、まもなく吐いた。用意されていた缶は黒く血まみれ。二日前から便が黒い事を会社の産業医に告げると、内臓出血の疑いとすぐさま緊急入院の運びとなった。

 吐いた事で楽になり、後輩の運転する社用車で病院に向かう。ストレッチャーに移されると、そのままCT、胃カメラと続いていく。胃カメラで十二指腸の一部の出血を確認すると、内視鏡と医療用バンドで止血。ドレンチューブを鼻から胃に向けて挿し込まれ、尿管にも排泄用チューブが。突然、人生初の胃カメラに嗚咽と絶叫が処置室にこだまする。以上、全て記憶と証言をまとめてみたが、それほど間違いはあるまい。

 入院翌日、ドレンチューブは外れるも、禁食生活を一週間過ごす。全て栄養は点滴からだけとなった。昼間、病室のテレビを点ければ、下世話なグルメレポートばかりで刺激は強く、慣れるまで酷な日が続いた。

 禁食一週間から二日毎に重湯、五分粥、全粥とステップアップ。重湯は袋入り0.5gの塩を自分で混ぜる。禁食明け、ひと口目に広がった塩分が忘れられない。退院まで食事制限は続くが、読書とテレビ、見舞いでの歓談以外で楽しみは食事に頼らざるえない。

 入院中読んだ本はP.K.ディックの「模造記憶」に始まり、万城目学の「鹿男あをによし」、池波正太郎の「鬼平犯科帳」「剣客商売」を数巻となった。大好きな「鹿男あをによし」はドラマとの違いを楽しみつつ、藤原君はドラマ通りに綾瀬はるか嬢をイメージして読まさせてもらった(原作の藤原君は男性で所帯持ちだ)。また原作を読むと、イメージ通りであったドラマのイトちゃん(多部未華子嬢)のハマりぶりに納得。ドラマでのセリフの忠実さ、ラストはドラマ以上に感動できた。

 収穫は「剣客商売」だった。頻繁に再放送される「鬼平犯科帳」と違い、主人公の小兵衛が藤田まことという配役以外、先入観はなかった。時代小説は初めてだったが、池波作品は登場人物の造詣、時代背景、生活感とディテールが素晴らしく、想像力と読書欲を掻き立てる。入院によって時代小説に開眼させられた。昼間流れる低俗なテレビ番組に対し、充実感は雲泥の差だった。

 見舞いの差入れは人それぞれ。20年ぶりに読んだ月刊誌「競馬最強の法則」、最若手の後輩が持ってきた「70-90年代図鑑」、ダブりぶりに苦笑したさいとうたかを版「剣客商売」。最もユニークだったのがHGUCガンダム。退院間近で小説を読むほうを優先したかったため、後日作りたい。また毎月買っていた手持ちの「デジタルカメラマガジン」を再読するも、如何に読み込みが甘かったか反省。早くカメラを手にしたい。

 そして毎日見舞ってくれた家族に感謝。とにかく感謝の一言では表せないくらい。退院を終え、外へ出た瞬間、意外と地に足が着かないのに驚いた。吐血して輸血の可能性もあったため(日々の血液検査から結果回避)、よく考えれば当たり前。鉄分を含む薬も処方された。外観上はすっかり元気だが、病院では感じなかった程に体力はゼロに近い。入院二週間から社会復帰までもう少し...


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