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2014/03/02

「世界にひとつのプレイブック」を観る

 WOWOWで録画してあった「世界にひとつのプレイブック」を観た。盟友N氏オススメである事もさることながら、目下お気に入りのジェニファー・ローレンスが昨年のアカデミー主演賞を受賞。個人的に最も気になっていた作品である。

 この作品は妻との間で心に痛手を負ったブラッドリー・クーパー演じるパットの再生の物語。心の病だ、接見制限だと如何にも現代社会の暗部が背景にあるが、何処かユーモラスなのはブラッドリー・クーパーの醸す雰囲気からだろう。そしてジェニファー・ローレンス演じるティファニー。傷のなめ合いでなく、この出会いとダンスを通してパットと理解を深めていく。ブラッドリー・クーパー、ジェニファー・ローレンスによる21世紀版「恋人たちの予感」といった感じ。ただメグ・ライアンのような女性の可愛さを売りにするのではなく、ジェニファーは登場からとにかくセクシー。しかし冒頭のパットには妻の姿しか見えていない。愛の亡霊が成せる業...。

 本作のキーワードは”サイン”である。迷信に振り回されるパットの父が彼に放つセリフ、「サインを見逃すな」は誰もに当てはまる人生に訴える言葉だ。この言葉を聞いた瞬間泣けてきた。仕事、恋愛、何であろうが、誰にもキッカケはあるもの。負のスパイラルに陥ったパットだったが、その存在がティファニーであった。ティファニーとパットの父がやり合うシーンがあるが、パットの父はロバート・デ・ニーロ。旬の言葉でいえばレジェンド、オスカーの彼と対峙し、全くひけを取らない演技だったこそ、ジェニファーがオスカーに輝いた理由となろう。本作の彼女は本当に輝いている。

 人生に挫折を知らない人が本作を観れば、毒にもならず、ネガティブ感に溢れ、何処か病んだ人ばかりが出てくるし、一見救いようが無い話に思える(ラッセル監督の「ザ・ファイター」もそんな感じ)。だが本作では迷いの先に彼女(ティファニー=ジェニファー・ローレンス)が居た。あながち21世紀版「恋人たちの予感」の例えも外れていないような気がする。何か迷いがある人は、本作のセリフの一つ一つを噛みしめ、生きるヒントを与えてくれる映画だと思う。

140302

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