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2014/01/26

WOWOW「狼よさらば[吹替版]」を観る

 先週に引き続き、前夜WOWOW土曜吹替劇場にて録画しておいた「狼よさらば[吹替版]」を観た。昭和ひと昔のテレビだったら荻昌弘の月曜ロードショーか、水野晴郎の水曜ロードショーの常連コンテンツになる作品。昭和の人気CM「マンダム」でおなじみ、主演チャールズ・ブロンソンによる「DEATH WISH」シリーズ第一作である。

 この作品は盟友N氏思い入れの一作。中学当時、チラシ集めが流行り、既に映画好きで知られたN氏は先生のような立場だった。彼の意中はスティーブ・マックイーン、ポール・ニューマン、クリント・イーストウッド、そしてチャールズ・ブロンソン。初めて知るハリウッドスターたちは男の渋さを教えてくれた。映画の中の彼らは僕らの先生でもあった。

 ブロンソンの見た目の渋さに拍車を掛けるのが、大塚周夫氏による声だろう。 「狼よさらば」は1974年公開のため、劇場で観ていない。したがってブロンソンの声=大塚周夫が当たり前となっていた。しかし本作だけはまだ観ていない事に気付く。だから「狼よさらば」は今回が初体験。気分だけは学生時代に戻って吹替版となった。

 物語は今以上に犯罪の多い現代のニューヨークが舞台。妻と娘を襲われた男の復讐劇である。ただ現代劇ながら西部劇の匂いがするのは、一般人である主人公が街のために処刑人と化すところだろう。銃を忍ばせ、悪人たちを討つ。世間は彼に喚起され、自衛に犯罪は低下。だが一方で法の下それを由としない警察がいる。果たして現代の世で主人公の末路は...ちなみに家族を襲うチンピラの一人は「ハエ男」ジェフ・ゴールドブラムであった。

 この作品を観るとニューヨーク、殊更アメリカに対する闇、恐さを感じる。ジュリアーニ市長以降、改善されたニューヨークの犯罪率であるが、当時の状況に対するアンチテーゼ、アメリカ人としての回答の一つがこの作品にある気がする。前述の通り、西部劇の匂いこそ本作の回答だ。シリーズとしてのちに4本作られ、勧善懲悪に徹した感があるが、本作は処刑行動に悩む姿も描かれている。

 この作品の渋さはハービー・ハンコックによる音楽の存在も大きい。明るく過ごす夫婦の休日の後、舞台がニューヨークに移るとオープニングタイトル共に流れるテーマ。フィルム銀塩画面、70〜80年代前半のサスペンスアクションにはジャージーな音楽がとにかくハマるのだ。

140126


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