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2012/12/01

「007 スカイフォール」を観る

今日は映画の日。沼津のダニエル・クレイグこと盟友N氏と「007 スカイフォール」を初日に観て来た。今年で50周年となる世界的な人気シリーズ。個人的には007シリーズを劇場で観始めたのは83年公開の「オクトパシー」からだから、はや30年となる。シリーズものを観続ける事も映画ファンの醍醐味。しかしながら前作「慰めの報酬」が残念な出来であったため、正直始まるまでは不安でいっぱいだった。監督は「アメリカン・ビューティー」のサム・メンデス。オスカー作品であり、中年男の心情、機微と悲劇を描いた小品だった。果たして老舗シリーズ007のダイナミズムに合うのだろうか?

本作のテーマは時代性と信念。近年のアクション作品がそうであるように、本作も情報戦が中心だ。見えない敵との戦い、奔走するボンド。若返ったQはコンピュータのエキスパート。ボンドと対峙するシーンが妙に可笑しい。今やスマホ一つで十分秘密兵器の代用になる世の中。Qが渡す二つの兵器、原点回帰とハイテクの狭間にあるこれら兵器たちにもテーマが隠されている。そしてそれは作り手の苦悩にも見えてくる。だがそれを打破するのは信念だ。本作ではM、ボンド共に想いは様々あれどその下で戦う事になる。そしてそれは第一作からシリーズを通して常に抱き続けてきたものでもある。

物語はそうしたテーマを織り交ぜつつ、アクションも見逃せない。カーチェイス、地下鉄での追いつ追われつの攻防等、フィジカル面でリニューアル第一作「カジノ・ロワイヤル」の迫力に肉薄する。ただここぞでのお約束のオケが欲しかった。

007には老舗シリーズゆえの様式美がある。ガンバレル、アバンタイトル、ジェームズ・ボンドのテーマ...ニューボンドになってそこから変わろうとする苦悩が見え隠れするが、ファンとしては結局、DB5にジェームズ・ボンドのテーマが掛かるととても安心するから不思議だ。本作を評価するも、観ていてそこに至るまで違和感があったのは事実。ただ「カジノ・ロワイヤル」には様式美に対する意欲的なチャレンジがあり、そこが評価された。もし本作に物足りなさを感じるとすればその一点に尽きる。前述のとおりトーマス・ニューマンのスコアもボンド色が薄く、その意を強くさせた。

しかし全体的にみれば最後まで楽しませてくれた。 見えない敵ハビエル・バルデムの威圧感、”Mom”いやMジュディ・デンチの存在感、そしてレイフ・ファインズ。演技、演出とのバランスをみればサム・メンデスの起用は吉と出たと思う。本作通して渡された様々なバトンは次作でどのように魅せてくれるか期待したい。

あと、この風景見たことあるというロケーションが...「二度死ぬ」以来、日本にとってあの地が映し出されるとは知らなかった。くれぐれもエンドロールが終わるまで立たないように。

121201

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