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2012/03/03

電人ザボーガーを観に行く

 今夜は盟友N氏の誘いで「電人ザボーガー」を観に行ってきた。電人ザボーガーといえば、幼い頃に夕焼けTV番長だったボクにとっては外せないアイテム。リアルタイムで観る事は無かったが、ケイブンシャのヒーロー大百科で想像を膨らませ、その後の再放送では特撮好きとなるべく大変お世話になった。今回、「エヴァ」の大月プロデューサーの下、21世紀のスクリーンに甦った。ちなみに本作の原作者ピープロは「エヴァ」の音楽、鷺巣詩郎氏のお父さんである、うしおそうじさんの製作会社である。

 前半はテレビシリーズ同様、血湧き肉踊る展開を最新のVFXで、後半は己の運命に立ち向かう板尾創路演じる大門の熟年期が描かれていく。最初に言っておくが、ブルース・リーならば間違いなく「感じろ」と表現する映画である。観ている間は思考の余地は無く、スピーディーなザボーガーの変形と次々に繰り出される技、武器に圧倒される。特にザボーガーの変形は「トランスフォーマー」級といかないまでも、あまりの見事さに舌を巻くほど。エンディングに流れるオリジナルの変形と比較すると隔世の感がある。

 見どころは観る者の思い入れで異なると思うが、前半であれば間違いなく誰も「ミスボーグ」の存在を挙げるだろう。山崎真実の怪演、熱演、ルックス、スタイルと相まって後半へのバトンを見事に渡している(N氏と共に激しく同意)。これを受けた熟年期の大門は夕焼けTV番長たちへの応援歌であり、板尾の渋みある演技と共にその想いが伝わってくる。とはいえ、そんなお涙頂戴路線は真意でなく、大画面スクリーンを活かしたエンターテイメントに徹している。残念ながらこの面白さはビデオレンタルでは味わえまい。

 石川遼くん似の青年期に加えて熟年期を描いている上、オリジナルの設定を再構成し直しているため、あくまで映画版のパラレルワールドと採るべき。しかしながらそれでもぐいぐい引っ張る演出はこれまでの井口作品を観たいと思わせる動機に十分である。また本作はザボーガーだけでなく、様々なSF作品へのオマージュに溢れており、初見の特撮ファンにも見応えあるものであると思う。近くの劇場で上映の折は是非見て欲しい。

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