「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」を観る
今夜は「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」を観てきた。オリジナルシリーズ、植木等吹き替えのTVシリーズ、リ・イマジネーションのティム・バートン版と全て観てきた自称「猿の惑星」フリークとしては外せない一篇。スマステの「月イチゴロー」では「展開する規模が小さい」「猿のCG映画」と揶揄されたが、この映画の本質をついていない。そもそも「創世記」と謳う邦題の付け方も悪いのだが、原題は「Rise of the Planet of the Apes」であり、猿の惑星の起源、始まりとなれば納得できる。
物語は主人公シーザーの出生、人間と対立、彼が猿たちを率いるまでの姿が描かれる。オリジナルに範をとり、同じ名のシーザーがリーダーとなるが、その過程はやや異なる。オリジナル最大のタイムパラドックスである、コーネリアスとジーラが起点ではなく、薬物による進化がシーザーを生んだ。ラストシーンは同じ20世紀FOX製作の「アイ,ロボット」を思い出させる部分でもある。一方で人類の衰退も伏線として描かれるが、そこは次作を待てという事らしい。エンドロールが始まって席を立つのは止めたほうがいい。
これでもかのCG描写は「ロード・オブ・ザ・リング」「キングコング」を手掛けたWETA(実写版エヴァはどうなったぁ?)が担当。得意の毛並み描写と動きは素晴らしいが、ちょっとした不自然さを感じなくも無い。ただ脱特殊メイクは新生「猿の惑星」の売りであり、十分魅力は伝わってくる。ちなみにシーザーのモーションアクターは「ロード・オブ・ザ・リング」のアンディ・サーキス。「キングコング」もこなした通り、猿は得意中の得意なのである。なお、のちのシーザーの表情は明らかに人間っぽいと思う部分があるが、それは進化だと解釈。
実のところこの作品は実写版「おさるのジョージ」だ。"ジョージ"と呼ぶミドルネームは隠し、楽しかった5年間は封印(劇中、さっと流され)され、黄色い帽子のおじさんは一切出てこない。もしかしたらワイズマン博士はジェネシス社と関係があったのかもしれない。そうでなければジョージがあれ程の知能を有するわけが無い。そして成長した"ジョージ"は現実を突きつけられたのだ。
動物管理区に保護されたジョージ。そしてジョージを迎えに行く黄色い帽子のおじさん。
黄色い帽子のおじさん:「さぁ、ジョージ。おうちに帰ろう」
表情を曇らせ、檻の扉を閉めるジョージ。そして...
ジョージ(シーザー):「Noー!」
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