ジャパンカップ、トップジョッキーの明暗
今年のジャパンカップは様々なドラマの明暗に溢れたものだった。中でも大きかったのは戦前におけるウオッカの鞍上交替だろう。秋の天皇賞(3着)の結果を受け、オーナーサイドの意向で主戦の武豊から、クリストフ・ルメールへスイッチ。お手馬がかち合う一般的な乗り替わりと違う。かつてのアドマイヤムーン事件程のゴタゴタではないだろうが、たとえ武豊であっても降ろされてしまうのは、これまで競馬をみて来た者にとって衝撃的な出来事だ。
確かに昨年以降、武豊のGI成績はかつてと比較し、目立ったものでは無くなりつつあったが、ウオッカとのコンビはそれを忘れさせるだけの結果を残してきた。だがウオッカ抜きで結果を残す事はできるのだろうか。そんな中、巡ってきたリーチザクラウンへの騎乗。しかしリーチとの折り合い、オーバーペースを踏んで7着に惨敗。入着すら結果に残す事はできなかった。
ダービー馬とはいえ、近好走がマイルに集中しているウオッカ。そんなウオッカをルメールはどのようにエスコートするか。前半、先行しスタミナ的に厳しい位置で競馬を進めたが、最後はきっちり弾け、ここ秋二戦のうっ憤を晴らすかの勝利。しかもウオッカ・マイラー説を覆すような勝ちタイムである。結果として、鞍上の違いが勝ちを導いたとしか考えられない。ルメールにあって、武豊に足らないものとは。一体どうしたんだ、武豊?
大外から猛然と追い込んだ、二着のオウケンブルースリは2cmに泣いた。しかし大一番で結果を残す事、さすが東西リーディングトップの内田博幸の成せる業である。現在、武豊に対し10勝以上も引き離し、万全の体制。一方、ウオッカはレース後、鼻出血を発症。年内の出走は断たれたが、中山が不向きな彼女にとって僅かな暗である。むしろ引退の花道には絶好の機会のようにも思えるのだが。
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