「デス・レース」を観る
今夜は沼津のジェイソン・ステイサムこと、盟友N氏と「デス・レース」を観てきた。「デス・レース」といえば、過激な内容ながらも、何処かチープで滑稽な車が爆走する「デス・レース2000年」のリメイク。そんなオリジナルは、年末年始深夜テレビの映画劇場でよく放送された作品だ。ロジャー・コーマン印のカルト作、「ロッキー」以前、無名のスタローンが出演した作品としても有名。ボクにとってこのオリジナルは、初めて購入した海外DVD(リージョン1)であり、字幕無しで観ている。今回、この作品を選んだのも、そんな簡単な経緯だ。
だが今回のリメイクは暴力、車、暴走はそのままに、一部キャラクターの名前を借りて、全く別の物語となっている。その割り切りは重要である持ち味は失ったものの、ハリウッドメジャー向きにモデルチェンジが図られた。カーアクションは大迫力、腹に響く銃撃音と爆破が盛り上げる。さらにポール・WS・アンダーソンは、ゲーム臭プンプンの演出を加えスピーディーに展開。レースシーン中は我々観客に一切の思考を許さない。
ただ思考を許さないというより、物語に中身が無いのだ。とって付けたような復讐劇はあるものの、クラッシュとスピード感が身上の映画。CG処理を極力減らしたガチンコのカーアクションが続く。この迫力、家庭で見るにはもったいない。そもそもこの映画、家庭で見るのには不向き。ファミリー向きではなく、漢(おとこ)の映画。マッチョなステイサムはそのために選ばれた。PG-12は妥当なところだろう。
個人的にはキャストの中に海外ドラマ「NIP/TUCK」のエスコバルが登場し興奮。刑務所内という舞台背景で、全身ホンモノの刺青が花を添えるならぬ、迫力を加えている。ただ一般向けにはステイサム頼みなのは否めない。それ以外のキャストはB級、映像と音響はA級、そしてカーアクションが全ての映画。内容はどうあれ、ホームシアター向きの迫力ある映画かもしれない。できればデイヴィッド・キャラダインがカメオ出演していれば、点数が上がったのになぁ...
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