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2008/03/03

さよならトリニトロン

 ソニーは今年3月をもって、トリニトロンブラウン管の生産を終了する。液晶やプラズマで薄型化が当たり前となった現在のテレビにとって、ブラウン管はまさに前世紀の技術となってしまった。しかしながら、ソニーのブラウン管はトリニトロンと称するように非常にエポックメーキングな商品であり、ウォークマンと共に成長期におけるソニーの象徴でもあった。一方、技術に固執した末、薄型テレビの立ち遅れの原因の一つとも言われている。

 ソニーのテレビは多くのステータスシンボルを持ち、デザイン、機能美に優れた。その上でトリニトロンには、高画質という言葉がよく似合う。そして象徴であったプロフィールシリーズは、緻密で好みの画作りだった。電気店で並んでいても、つい見入ってしまう。かつて業務用ディスプレイの多くがソニー製だった事からも、その信頼度は伺えた。のちにトリニトロンはキララバッソに搭載されるスーパートリニトロンに進化。さらに完全平面化したFDトリニトロンのWEGAは記憶に新しい。つくば万博にはジャンボトロンなんていうのもあった。

 ちなみに進学の際、買ってもらった21インチのトリニトロンテレビは使い倒した。背面を外し、自作スピーカーを直付け、レーザーディスクでサラウンドを楽しんだ。当時は21インチでも大画面であったが、まもなく29インチ時代が訪れる事になる。就職直後に買ったキララバッソは実家で現役だが、色ズレが酷く、アナログ停波と共に消えていくだろう。また実家は他に2台のWEGAを所有していたが、そのうち1台はソニータイマーの憂き目に会い、地デジ対応のBRAVIAに替わった。

 個人的にトリニトロンというと、「重いテレビ」という印象が強い。画質へのこだわり、それが反映されたトリニトロンの特徴なのだろう。学生時代、電気屋のバイトでトリニトロンテレビが売れるたび、運ぶのに辟易した。特に前出の29インチ時代の折、その重量は60kg近かったのではないか。梱包のダンボールに書かれた重量に唖然。だが設置後、映し出された画を見て、「やっぱソニーはいいねぇ」と思ったもの。BRAVIAで息を吹き返したソニー。現在の韓国サムソンとの協業に続き、シャープとの新事業も明らかになったが、その画作りだけはこれからも変わらない。

Tv

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コメント

元$ony社員です。もう10年以上前になりますがシンガポールに赴任した際、赴任研修の一環でディスプレー工場へ見学に行きました。サウナのように熱い構内の3つのラインではWEGAのトリニトロンを製造しておりました。面白かったのは最後の検品過程で、カラーパターンが表示されているCRTの前面をおもいっきりゴムのハンマーで叩いていました。グリッドの揺れを見るのだそうです。長く揺れるほど良いのだとか。

アナログからデジタルに技術が移行するにつれて「ソニーでなければ」という優位性が消えていく時期でもありました。トリニトロンの終焉もその一つですね、残念ながら。

投稿: K | 2008/11/26 10:16

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