無知は格差社会の証
「クイズ!雑学王」がゴールデンタイムへ進出。そのレギュラー放送を前に、スペシャルが放送された。この「雑学王」の魅力は、「結構、その事知ってる」と思わせるネタが散りばめられている点だろう。実際、何問かに一回は知っているクイズが登場する、そんなこれは知っているけど、知らない事が多いなぁという好奇心を煽るのが狙い。それぞれの問題に対して一般正解率を示し、世間の認知度との比較もできる。
「トリビアの泉」以降、雑学を扱う番組が増えたが、今がそのピーク。教育バラエティーまで含めると相当数にのぼる。「平成教育委員会」( 「平成教育学院」) に始まった教育バラエティーは人気を博し、雨後の筍のように放送されるようになった。その一方で単に知識を与える番組だけでなく、回答者の知識の有無を売りにする番組も増えた。一般常識をテストし、採点し、順位をつけていく。思い浮かぶのが「クイズ!ヘキサゴンII」だ。
単純に順位をつけていくなら普通の番組。だがこの「クイズ!ヘキサゴンII」は違う。むしろ馬鹿ぶりを売りにする番組作りが目立つ。良く言えば"天然"、悪く言えば"おバカ"なタレントたちの知識の無さを逆利用。一般常識の無さを、司会の島田紳助が徹底的に叩く。最初は笑ってみていたが、段々と不快に思うようになっていた。しかも笑いの質は違う。学校で学力の無さをバカにする同じ構図がそこにあったからだ。
点数は学力社会の証、学校でも会社でもついて回るもの。ただ番組中、バカにする笑いは単純だが、その背景は複雑だという認識を、ほとんどの視聴者は持たないだろう。番組の意図も、良く言えば視聴者に対し、おバカタレントを反面教師として充てたものかもしれない。しかし家庭環境、地域格差が学力格差を生む事実。特に賃金格差は見逃させない要素である。おバカタレントの登用は世間の需要だろうが、彼らの出番が多い程、格差社会が進む証なのである。
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