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2008/01/04

「ALWAYS 続・三丁目の夕日」を観る

 今年は、見逃していた「ALWAYS 続・三丁目の夕日」からスタート。東宝スコープで始まるオープニングは想定内だったが、その後の展開は予想外だった。映画監督、ことさら特撮を手掛ける監督さんなら、夢であろうあの東宝の大スターの起用には驚いた。僅かなシーンではあるが、久々にスクリーンを暴れる"彼"を観る事ができた。東宝作品らしく、この位のオマージュは充分にアリである。また"彼"の登場に限らず、日活など映画主役の時代も描かれている。

 続編の本作は、前作から半年後の設定。派手なVFXはオープニングのみに任せ、後はさりげなく大胆に昭和が描かれていく。大きな見せ場は日本橋。この日本橋のシーンに限らないが、画面の質感といい、全体的にかつての日本映画のテイストを感じた。いい意味で、古い邦画を観ているような気がする。ここに限らず、特急こだまや東京タワー等、時代を描く演出が満載。前作同様、この作品のVFXのレベルは高い。前作最大の特徴、テレビドラマでは実現不可能、体感型昭和テーマパークの復活である。

 ストーリーは前作を踏襲したお涙頂戴なものだが、前作よりは弱く感じた。もちろん観客の想像以上に物語は展開しない。物語に教訓めいたものもない。それがこの作品の強みであり、弱点でもある。安心して観られる反面、受け取る感動は大きなものにならない。物語の変化球を強いて挙げれば大団円、前作を受けた完結篇的な作り、続編の必要性は無くなったところ。予定調和として結ばれていく物語、またそこにある温かさは健在。チープさが鼻につくかもしれないが、それはこの作品に求める真意とは異なっている。前作以上ではないが、前作を楽しめれば観て損はない作品となっている。

 唯一、この作品を観ていて気になったのが、淳之介演じる須賀健太君の成長だった。一平君は前作と差異が無かったが、本作中、明らかに子供の集団の中、頭一つ抜けていた気がする。ハリポタのラドクリフ君程の成長は無いとはいえ、前作から約二年の経過はバカにできない。とはいえ、同じ俳優が演じる重要性もあり、痛し痒しというところ。また前作からの流れ、エンディングのスリーショットを見れば、これで良かったと思う。"家族"もこの作品のテーマなのである。

080104

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