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2007/09/17

Mr.小泉のスーパー・イリュージョン

 安倍総理辞任、突然の総裁選に揺れる自民党。福田氏優勢に大勢は決まったようなものだが、『一寸先は闇』の政治の世界、この後何が起こってもおかしくない。とはいえ、福田氏大勝となれば派閥政治の集大成、乗員(ポスト)を上回り、バランスを崩したままの出航。クールでポーカーフェイスの福田氏の舵取りは、彼の真価を問われる事になる。ただ既に現内閣の継続を明言したのは正解だし、一旦足場を整え直す時間は必要だろう。そんな醸し出すしたたかさは福田氏の持ち味、福田マジックである。

 一方、麻生氏にとって、まず少数派取り込みや党内票崩しよりも先に、世論に訴える戦術に打って出た。渋谷を離れ最初の演説場所に秋葉原が選ばれたのも、最も彼の支持が厚い地盤であるがゆえである。大手新聞の世論調査の30パーセント弱の支持は、何気に年齢30代未満の層に一致してくるから不思議。ヤングの麻生、アダルトの福田、まさに世代の代理戦争的様相である。果たしてアキバ発の麻生マジックは奇跡を起こすか。

 そこでクローズアップされたのが、小泉チルドレンの動向だ。公示前、一部有志が小泉前総理を担ごうと奔走。しかし親分は立たなかった。しかも小泉氏は福田氏支持を打ち出し、混乱を色濃くする事になった。これら行動がいずれ来る衆院解散を睨んだもの、保身と言われても仕方あるまい。見た目はアダルトながら、キャリアはヤングな小泉チルドレンは果たして福田、麻生のどちらを選ぶか。長年慣習化された派閥の論理は、そう簡単には壊れない。いや壊れたと国民に見せた小泉マジックの巧みさゆえだろう。

 一部評論家は『小泉立たず』の根拠に、タイミングと新党設立が挙げている。しかしその可能性は微妙。小泉氏は一匹狼的な立場ながら、実際は最大派閥、町村派の一人でもある。それが在任中、当時森派だった事が功を奏していたのは事実。強行した郵政民営化の混乱も、湿気たチーズと森元総理の愚痴でかき消された。例え小泉氏が新党を立ち上げたとしても、最大政党となれる根拠が無い。それを判っているから再び表舞台には出ない。仕掛けるふりをして、目立ちたいだけなのだ。それもまた小泉マジックなのである。

070917
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