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2007/08/04

悪友=阿久悠さん逝く

 阿久さんが亡くなって思うのは、染みついてるなぁという事。けっして悪い意味でなく、彼の詩が我が血や肉になっている事だ。『阿久悠=昭和歌謡史』の側面は少なくないが、すなわち彼の持論である時代を映す楽曲が、ボクの成長過程に影響を与えた点も多い。とにかく詩がカッコいい。詩がカッコいいから、曲も攻めの姿勢となり、革新的な楽曲を生んでいった。直立不動から、観客の心に響く詩への変化点。文字通り、時代を起こしたムーブメント。平成の詩たちが失ったアイデンティティーをそこに感じる。

 演歌というと辛気臭いが、阿久さんの詩は違う。「北の宿から」「津軽海峡冬景色」「雨の慕情」と当時小学生であったボクらが歌いたくなるような楽曲だった。特に「雨の慕情」のサビは独特の振り付けと相まって、演歌はダサいという風潮を払拭していった。今では宇宙人トミー・リー・ジョーンズをも魅了する、時代を超えた名曲の一つ。『しみじみ呑めば...』は時代を超えたひと節である。

 今なら○×プロデュースと製作側が表に出る時代だが、彼の場合は全くの逆。『スタ誕』、スター誕生というブランドは作ったが、彼が表に出る事はほとんど無かった。むしろ強面で審査に徹し、次々にアイドルを発掘していった。日曜の朝、アイドルが生まれていく過程を目の当たりにする楽しみ。プロダクションやレコード会社のプラカードが揚がるか否かの緊張感。モー娘。の先駆けである反面、今のインスタントアイドルとの違いを鮮明にする。

 彼の楽曲、テーマとする時代と同じように感じるのがロマン。それが最も顕著だったのが「宇宙戦艦ヤマト」の主題歌群。テレビ版、映画版通して子供向け目線を廃し、ロマンを押し出していた。今聴いても「真っ赤なスカーフ」は凄い。アニメが子供だけのものではない、今の潮流を知れば知るほど、阿久さんの嗅覚の凄さを思い知る。古代進の親友であり、悪友のデスラー...話は関係は無いけれど、悪友(あくゆう)=阿久悠のペンネームだったんだなぁと今初めて知った夏。ご冥福をお祈りします。

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