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2007/08/05

祭りのあと

 夏祭り参院選を終え、お盆休みを前に安倍総理は炎上状態。歴史的大敗とマスコミは焚きつけ、意気上がる各派閥。党の結束を旧派閥政治への回帰で実現したいのは当然。特に前内閣以降、鳴りを潜めた面々からすれば、今こそ大いなるチャンスといえる。ただ世論はそれを望んではいないし、そこに生まれたねじれ現象は、政界再編の起点となるかもしれない。既に自民分裂を予見した動きも聞こえてきている。今後、かつぐ神輿(みこし)はいくつ出てくるのだろうか。

 戦犯を前農水大臣とする声、そしてその任命権者である総理を名指し。世論の一部からも同様の意見もある。しかし実は前政権、小泉氏に起因している事を誰も指摘しない。約五年間、実態なき政(まつりごと)が、今となってボディーブローのように効いてきたのだ。郵政民営化以外、ほとんど何もやらなかった前政権のツケ。年金も税政策も後回し。気がついた安倍総理がすがったのは小泉劇場の幻影。幻影の果て、必死の訴えも世論を味方につける事はできなかった。総理はその幻影、自らのカリスマの無さに気づいたのだろうか。

 今、安倍総理に必要なのは、一つでも政治で実績を残す事だろう。本当は得意の拉致問題があったのだが、それは前総理に横取りされた形。しかも悪い事に、今や六カ国協議で日本は厳しい立場に立たされている。ならば、やはり年金問題の解決しかない。ここでしっかりと自分の手腕を見せる事。来年春などとは言わず、少しでも早い段階で結果を出し、世論の支持を取り戻す必要がある。党内が足かせとなる政治資金規正法より、まだハードルは低いはず。とっくに前総理のイメージ戦略の時代は終わったのだから。

 それにしても今思うのは、民主党小沢一郎代表の運の良さ。昨年のメール問題、前代表から受けた小沢氏の最初の大きな国政選挙が今回の参院選だった。そして過半数以上の議席に達する大勝。一年前の戦況を考えれば、ここまでの形勢逆転を誰が予想したのか。今回、徹底的に一人区を潰しにかかった小沢代表。代表就任時、一時のピークを過ぎた感があったのだが、侮る無かれ。ブルドッグ大帝、その手腕を如何なく発揮。やはり自民を倒すのは自民のDNAなのか。ただこちらも数パーセントの欠けた遺伝子(他党出身)がこれから足を引っ張るのだろうけど。

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