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2007/07/01

「ダイ・ハード4.0」を観る(ちょっとネタバレあり)

 今日は映画の日なので、盟友N氏と「ダイ・ハード4.0」を観てきた。N氏とはこのシリーズの2と3を劇場で観ており、2はレイトショーだった。N氏は眠気眼で観ていた事が思い出される。そして第一作は高校時代、まだクチコミなんて言葉が無かった頃、数人しかいない劇場で観た。緻密に組まれた伏線、そしてど迫力の肉体アクションに熱狂。以後、レーザーディスクが擦り切れる(わけが無いが)程に再生を繰り返し、そのセリフはボクの血と肉になった。80年代アクションの大傑作。音響、サラウンドも最高、ホームシアター黎明期の作品としても有名だ。

 その最新作は4ではなく、4.0。ただアメリカ公開の原題は「Live Free or Die Hard」(のんびり生きるか、さもなくば粘り強く耐えるか...誤訳かな)となっている。ただオープニングロゴは4.0のまま。むしろ作品の背景は伝わり易いだろう。立ち向かう相手はサイバーテロリスト。しかも米国東部を支配し、アメリカ国家に脅しをかけてくる。過去このシリーズでシステム占拠は定番だが、その規模は比較にならない。そんな敵と、ブルース・ウィリス演じる超アナログなジョン・マクレーンの戦いが描かれていく。

 130分間、画面に釘づけだった。第一作から変わらぬマクレーンのボヤキ。ボヤいていても戦う姿勢はカウボーイ。それがこの作品の魅力の一つでもある。敵のボスにボヤキを皮肉られる所も健在。ブルースはパワーアップしたアクションに体当たりで挑んでいる。世界一ツイていない男、血まみれになりながら、愚痴をこぼしながら、次々と敵を倒す姿に実年齢は関係ない。そして感情移入が芽生え、物語に没頭している自分がいた。年をとり髪の毛はないが、やっぱりブルース、いやジョン・マクレーンだ。

 シリーズへのオマージュとも取れる描写も多い。第一作は縦(ビル)、第二作が横(空港)を移動する中で展開されたが、本作はそれを随所に織り込んでいる。またウォール街をパニックに陥れるところはまさに第三作そのもの。ボクは『シリーズ物の成功のカギは、前作の優れたパロディーでなければならない』が持論だが、この最新作はその点でもよくできている。ただそれだけでなく、フリーウェイの攻防は「スピード」、F35との対決は「トゥルー・ライズ」とFOX作品へのオマージュでもあった。さらに冒頭「スポーン」の腕がもげ、「ターミネーター2」のエンドスケルトンが起爆のキッカケを作るなど、枚挙暇が無い。

 前作から12年経った理由は、物語の作り込みに表れていた。人気シリーズゆえの成り行き製作、個人的には失敗だった第三作の糧に成熟を待ったと思っている(ただし第三作はシリーズの密室構造を崩した点で大きな意義を持っているだろう)。ブルースご指名の監督、レン・ワイズマン(「アンダー・ワールド」)も最高の形でそれに応えた。ネットに絡むパニック、ガジェットの扱い、今風の設定も若い彼ならでは。上手く咀嚼し、画作りも演出もテンポがいい。しかし最後に残るはジョン・マクレーンの魅力に尽きる。

 今回、ジョンと共に巻き込まれていくハッカーのファレル、ジョンと彼の絡みは秀逸で、事件の発端ながら、解決の道を作っていく。そしてジョンの娘ルーシー。姓の名乗るところはホリーそっくり。いやジョンそっくりの描写が逞しい。ラストも思わずにやけてしまいます。敵のボス、カブリエルは線が細いが今風のテロリスト像を構築。一見、志(こころざし)は高くも、最後はやっぱり金なのかよと、こちらもある意味、第一作からの志を引き継いでいるのかもしれない。

 本作の欠点があるとすれば、ヘリ操縦のところ。だが観客が『どうして?』と思わせようが、そこは力技。「太陽を盗んだ男」の如く、できまいがやらせてしまう点が相通じている。この作品、展開に躊躇していてはいけません。また最新鋭戦闘機F35は知らなかったので、少々面を喰らいましたが、こちらも勢い任せ。CGに頼る面も許容範囲、このシリーズのファンなら笑って許してくれるでしょう。とにかく全般的に、アクションはできるだけCGに頼らない点はビンビン伝わってきます。また嬉しかったのは、音楽を担当したマルコ・ベルトラミが、故マイケル・ケイメンのオケを織り込んだスコアを展開。自身が手掛けた「ターミネーター3」の鬱憤を晴らすように、テーマ的なオケを効かせて、いや聴かせてくれるのです。

 作品の出来を尋ねられたとしたら、『1には敵わないが、2を超えたのでは?』と思います。もちろん3は遥かに超えていますけど(苦笑)。盟友N氏はこれに加え、『この作品には(ジョンの)年齢相応の面白さがある』と評しておりました。この意見、おおいに納得。もちろんボクらが中年に一歩足を踏み入れようとする時期、今のジョンに感情移入するのは当然。ぼやいていても、やらなきゃいけないのです、男というのは...仕事にめげたら、ぼやいてもやり遂げましょうぞ!

070701

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