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2007/04/29

「ブラッド・ダイヤモンド」を観る(ちょっとネタバレあり)

 今日はカミさんに暇をもらい、レオナルド・ディカプリオ主演の「ブラッド・ダイヤモンド」を観てきた。ここ三ヶ月、洋画を観なかったし、唯一観た邦画もコメディ。何処か毒を欲していた。そんな中、この作品は硬派なテーマ、アフリカ民族問題に反政府分子、そしてその資金源がダイヤモンドというもの。史実をなぞりつつ、サスペンスを織り込んで描いた本作。その迫力、いやあまりの惨劇に冒頭から釘付けになっていた。

 まずソロモンを演じるジャイモン・フンスーのフィジカル面に驚いた。時に躍動的、いや家族を守るために必死になる姿、画面に集中する。そしてそれを追うカメラ。ハイテンポなカット割り、編集、そして音楽が渾然一体となって襲ってくる。そしてカットの合間に機関銃をぶっ放す少年兵が映し出され、この作品の持つ深刻な面の一つが表現される。そしてそれはソロモンの家族への伏線でもあった。のちにソロモンの息子が変貌していく様は、納得のいく展開。この作品のようなシリアスな善悪(あるいは悪同士)の対峙において、その背景を描く事は大事である。「ブラックホーク・ダウン」のように、対峙するソマリア人をゾンビのように映す手法もあるが、それではテレビ的で一方的な恐怖しか伝わらない。

 この作品が言わんとするところは別に『皆さん、ダイヤを買うのは止めましょう』なんて事ではない。この世の中、貧富差別に負の連鎖は当然。むしろ観客がその現実を受け入れる『きっかけ』こそがテーマかもしれない。もちろん多少のヒューマニズムは必要。それを受けるのがソロモン親子の復縁であり、それを結果サポートする事になるディカプリオらの行動にある。

 ディカプリオは好きな俳優でない。しかし観ている作品は少なくない。有名な「タイタニック」があれば、最近では「ディパーデッド」なんてのもある。この二作に加え、「ブラッド・ダイヤモンド」には大きな共通点がある事に気がついた。それは彼が死して終わる事。物語は彼の犠牲をもって終焉していく。だが他の作品と大きく異なるのは、満足な表情で最後を遂げる点だろう。それがこの作品唯一の光明であり、前述で挙げた『きっかけ』の一つなのだと思う。

Blooddiamond

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