「バブルへGO!! タイムマシンはドラム式」を観る(ネタバレあり)
水曜の夜、カミさんと一緒に映画に行って来た。カミさんとの映画は二回目のデート以来。世間的には映画はデートアイテムながら、普段は『映画ひとり』いや一人で映画か、盟友N氏と観る位に珍しい事だ。今年三本目に選んだ映画は「武士の一分」と並び、日本映画。ただちょうどカミさんと観たい映画が一致したため、レイトショーとレディースデイを機会に観てきたのだった。
作品はタイトル通りにタイムトリップもの。しかしタイムトリップというより、時代を楽しむテーマパークのような映画。さすがホイチョイが描くタイムトリップゆえ、時代描写に重きを置いた作品となっている。物語はタイムトリップした母親を捜しに、その娘である広末が同じマシンに乗ってバブル期へ行くというもの。タイムマシンは協賛する日立とのタイアップ、ドラム式洗濯機である。ただ珍しさはそこまで、例えばタイムトリップでの描写では稲光と閃光。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」そのものであった。
しかし舞台が1990年に移ると、ホイチョイムービーの真骨頂が感じられる。実はバブル期こそ彼らホイチョイプロの隆盛期に当たるからだ。間近でバブルを体感、しかも世間に様々な仕掛けを仕組んできた。そしてバブルが弾けた後、「メッセンジャー」を最後に映画制作から離れていた。久々の映画は自分の土俵の中を描いたわけだ。登場人物たちの身の回り、衣食住に至るまで手抜きが無い。
ただそんな中で驚いたのが、バブル期最中、ディスコに繰り出す芸能人たちの描写。飯島愛も八木亜希子(いずれも本人役)も90年代にトリップ。まさにその顔は化けていた。いや失礼、変わっていた。メイクアップの力を痛感した。中でもテレビ局、駆け出しの飯島直子(もちろん本人役)はまさにあの頃の彼女に変貌。垢抜けた今の彼女とは大きな違いをみせていた。実はどんなCGよりもその変貌ぶりがこの映画の見どころかもしれない。
最後の大騒動はまるで「ボクたちのドラマシリーズ」。映画としての緻密な作りより、テレビ映画的な大味感が強い。そこがこの作品に対する物足りなさなのだろう。ドタバタだけでなく、時間や歴史との戦いが描かれてこそのタイムトリップもののような気がする。作品の志(こころざし)もちょっとバブル、親子愛が伝わるまでに至らなかったのは、ホイチョイムービーゆえかもしれない。
追伸.
タイムトリップ対決!洗濯機VSデロリアン。ただ本家「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の原案、タイムマシン案に冷蔵庫があった事は有名な話。でも今思えば冷蔵庫でなくて良かった。それはこの作品における物足りなさ、一方で元の時代に戻る「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のスリリングさが秀でた形となった。やっぱタイムマシンは動かなきゃね。
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