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2006/10/13

ディープインパクト引退とガイアの夜明け「知られざる競走馬ビジネス」を観る

 大きく動いた今週の競馬関連ニュース。金子真人オーナーの意向で、ディープインパクトの年内引退が決まった。競馬ファンにとっては青天の霹靂といった感じ。それは管理する池江泰郎調教師、騎乗する武豊騎手にとっても同じ、残念というか、無念に近いコメントが印象的だった。世界を勝てる馬など滅多に手掛けられるものではない。まして凱旋門賞での惜敗の後、次こそは海外GI制覇という夢は、次の産駒につながれる形となった。

 ちょうど先日の「ガイアの夜明け」では競馬ビジネスをテーマに扱っていた。ちょっと競馬をかじったファンならば、『馬主は好きなだけではやっていけない』とわかっている話であっても、実情を改めて伝えられると解りやすい。ましてあの関口房朗オーナーの口から、『レースだけでは儲からない』と言われると、一見華やかに思える世界も泥臭くなってくる。今や馬主はダービーを勝つためでなく、優れた種牡馬を発掘するためなのである。

 セレクトセール、セリもその一つ、キンコンカン(金子、近藤[アドマイヤ]、関口[フサイチ])の日本三大馬主に、ドバイ[アラブ首長国連邦]シェイク・モハメドのダーレージャパンという構図。特に金子氏とダーレーが、クロフネの弟を競り合うところは迫力があった。高橋力代表がアゴを下げれば、競る価格は上がっていく。気がつけば三億円。クロフネの馬主であった金子氏は降り、ダーレージャパンが競り勝った。だがドバイのオイルマネーにとっては容易いものなのかもしれない。

 しかしダーレーの馬は中央競馬で走れない。JRAが馬主申請を却下しているからである。これは日本の馬主と生産者たちを擁護する意味もある。既にJRAは、外国の馬に日本のGI競走を解放する政策をとっているが、完全解放は更なる問題(生産者撤退、賞金の海外流出)を引き起こす事を懸念しているのだ。ダーレー側は徹底抗戦の構え。裁判に打って出れば、客観的な見方だがJRAは負けるだろう。だって裁判に勝つ事さえ、オイルマネーにとっては容易いものなのかもしれないから。

 さて、ディープインパクトの存在は国際レーティングランキングでも判る。2006年8月のランキングではハリケーンランに続く2位。その逆転の場が凱旋門賞だった。しかし上位馬を退けながら伸びを欠いたディープの走りを見て、ダーレーの高橋代表は『企業秘密』と購買意欲を胸の内に留めている。世界の種牡馬品評会、いや記録会ともいうべき凱旋門賞の後、オイルマネーは動いたのだろうか。一部では、今年ドバイの競走を勝った、金子氏のユートピア号をダーレーが買ったのはその伏線と言われている。

 そうした動きを考えると、金子オーナーは今後の海外遠征のリスク、正直言うと種牡馬価値を下げかねないパフォーマンスを嫌ったのかもしれない。名より実を採ったのだろう。経済動物であるサラブレッド、しかも引退後に51億円のシンジケートとなれば、来年の海外挑戦を遥かに上回る実が待っている。前述の『レースだけでは儲からない』馬主の立場を考えれば、これを裏付ける。また一方で調教師、騎手の夢に挑戦できなくなった無念さは強く伝わってくるが、仕方あるまい。残る天皇賞・秋、ジャパンカップ、有馬記念の三戦のうち、あと何戦になるか判らないが、有終の美を飾れるか、注目したい。

061013

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コメント

この番組は好きな番組があってみられなかったのですが、興味深く読ませていただきました。
ダーレージャパンという名前は聞いたことがありましたが、
日本の競馬を席巻することになると今後競馬ってどうなっていくんだろうかなんて思います。
でもこれが現実なのでしょうかね。

投稿: hiropon | 2006/11/18 12:59

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