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2006/07/29

その後の「倫理なき戦い」[とりあえずタバコ終戦]

 全面戦争から三ヶ月。喫煙者と広能昌三の戦いは混沌とした中、いまだ続いていた。全面戦争を発端に場所を移した一家がある一方、同じ契りを交わした兄弟たちが、その場で煙をくぐらせていた。漂うその臭いに苦悩する広能。そして時は夏、クーラーを欲する時期となり、風上からのニコチンは広域に渡った。そして一家、兄弟たちが集った集会の場で、ついに広能の重い口が開くのだった...

 またもや「仁義なき戦い」風に始まってみたが、春以降で自分に関わるタバコの出来事を綴ってみたい。あれから三ヶ月が経った。近場にあった他部署の喫煙場所は、職場集会で発言するとまもなく移動。臭いだけでなく、視覚的にもストレス(就業時間中、喫煙場所でたむろする姿を見る事って意外に苦痛)が無くなり、自分の中にはびこっていたイライラも何処かに消えていた。しかし最後に残ったのは自部署の喫煙場所。ただ身近な人ほど、交渉し難いものなのである。

 まず口論となったある上司を中心に「ここでは吸わない」と喧嘩別れ気味になった(こちらを参照)。以後、その上司との関係、バカ話をして笑っていた仲もぎこちない。ただ事情を知らなかった後輩たちはずっとその喫煙場所で吸っていた。どうやって切り出すか、そのキッカケは正直無かった。しかし梅雨、夏に入ると、事務所のクーラーはフル回転となる。そうすると間際、風上にある喫煙場所(防煙カーテンとは名ばかりでスリットからガンガン洩れてくる)からニコチン臭がいつも以上に漂ってくるのだ。

 そしてクーラー運転開始から一ヶ月、職場の打ち合わせの場で、ボクは意を決して重い口を開いた。
「喫煙場所の事なんだけど...最近、○△課の人が吸うの止めたよね。知ってる?」
「知ってますよ」
「やっぱクーラーが掛かると、臭いが強いんだよね」
漂う険悪な雰囲気。すると別の後輩からこんなツッコミを受けた。
「別に臭うんだったら、席替えでもすればいいんじゃないですか」
しかし手狭な事務所、席を替わるにも限界がある。そして何より替わっても他の人が煙の害を受ける。だが結局、根本的な解決にはならない。どうもその点に気付いていないようだった。

 その後、喫煙者の気持を代弁する意見もあった。タバコは嗜好品、適当な場所が無い、タバコが止められない...しかし体に悪いのには変わりない。またタバコを吸いたい人のストレス解消が、嫌煙者のストレスを生んでいく。ディスカッション、沈黙と意見は続き、最後は残った喫煙者同士で、場所移動の可否を決めてもらう事になった。そして翌日の昼、暖簾に腕押しな防煙カーテンは取り除かれ、我が部署の喫煙場所は事務所の外で、という事になった。

 しかし後味は悪い。漂うニコチン臭が無くなった事で、確かに身体的にはすっきりした。ただ今回生んだ人間関係のぎこちなさは、精神的にいいものではない。喫煙のため、事務所の外に消えていく姿を見るたびに気に掛かった。でも自分の体を守るために口を開いた事に悔いは無い。そして庶務の女の子のひと言でグッと肩の荷が下りた。
「スッキリしましたねー」
事務所のタバコ戦争は終わった。口論となったある上司とも、いつの間に笑える仲に戻っていた。それも嬉しい。なお一年後、事務所は建て替えられる際、ちゃんとしっかりした喫煙場所が作られるという。

 世の中にはタバコを巡って三者がいると思う。喫煙者、嫌煙者、そして許煙者。世の中の大多数が許煙者であり、その特徴は喫煙者を許しているのでなく、単に諦めているのである。まだまだ副流煙の影響、健康増進法の存在も一般の人々、喫煙者には浸透していない。タバコを止められない、ストレス解消の意義は認めても、暗黙のルールを守ってこそ。何よりモラルアップが必要だと思う。我が会社もいまだ、駐車場と会社間に多くの歩きタバコが存在する。次なる戦いは会社の歩きタバコ撲滅。開けられた穴はまだ小さいが、何とかいい方向に変えていきたい。

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