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2006/05/03

飛んだ!ディープインパクト[思い出の天皇賞・春]

 日曜、京都競馬場で行われた天皇賞・春。圧倒的な一番人気に応え、ディープインパクトがレコードタイムで優勝した。一〇戦九勝、これでGIは四冠目となった。この勝ちには驚く事が多かった。まず勝ちタイム、レースぶり、そして馬体重。中でも過去最軽量となった馬体重四三八キロは発表時、思わず減りすぎたのでは?と心配になった。しかし実際にテレビ画面を通して観たパドックでは、むしろその馬体からはまさに研ぎ澄まされたような鋭さを感じた。

 昔、メジロマックイーンの春天三連覇を阻んだのがライスシャワー。ミホノブルボンの三冠も阻んだライスが、最強ステイヤーとして名高かったマックイーンを破るために行なった方策。それが極限まで馬体を十二キロも絞り、ギリギリの仕上げでレースに臨む事だった。そして道中は徹底してマックイーンをマーク、二馬身半差をつけてゴールした。しかも当時のレコードを樹立。とにかくこの時、ライスシャワーは小さくも、見た目はそれ以上に見えたのが印象的だった。今回のディープはそんなライスに近い気がする。

 そしてレコードというと、マヤノトップガンの春の天皇賞を思い出す。前年の代表馬サクラローレル、そして武豊の駆るマーベラスサンデーと三強を形成していた。前走、終始最後方からという大胆なぶりが印象的だったマヤノトップガン。鞍上田原成貴の奇策は、実は本番天皇賞への伏線だった。最後方では無かったが、出走十六頭中の後方を進むトップガン。しかも内でじっと我慢し、折り合いに専念していた。そして圧巻は直線。放たれた弓矢のように、外から二強を並ぶ間もなく交わし、ライスのレコードを二秒以上縮めた。戦後の田原は満身創痍を思わせる風貌、まさに渾身の騎乗だったのだろう。

 そして今年、ディープインパクトはそんな先輩二頭を相手に仮想するかのようなレース。敵は出走馬にいなかったのだ。そしてライス、トップガンの走破タイムをさらに大きく上回った。菊花賞で折り合いの難しさを露呈したディープインパクトだったが、今回は折り合って馬なりの道中、直線は究極の上がり三十三秒五。更なる大きな成長を見せた。そしてディープは飛んで、海外に自らの道を開いた。夏にはヨーロッパで待つライバル、ハーツクライとの戦いも待っている。でもディープのレース、やっぱ儲からなくてもいいから、馬券当てたかったなぁ。

追伸.
 ディープといえば金子オーナー。何とオーナーの持ち馬ユートピアが、あのモハメド殿下率いるドバイのゴドルフィンへ金銭トレード。占めて四億六千万円との事。ドバイワールドカップでカネヒキリが後塵を拝す事になったが、このユートピアの件はオーナーだけでなく競馬ファンも想定外の出来事となった。ここ数年GIといえば金子オーナー。二頭のダービー馬、一方はもちろん四冠馬ディープインパクト。ブラックホークのスプリンターズSで始まったGI勝ち。とにかくこの人、ディープ以上に凄すぎます。

060503

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ゴールデンウィークに相応しい好天。 今日は、京都で天皇賞(春)が行われました。 [続きを読む]

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