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2006/04/19

原田眞人監督 沼津映画WEEK「金融腐蝕列島 呪縛」を観る(ネタバレあり)

 今夜は原田眞人監督 沼津映画WEEKの最後、四作品目となる「金融腐蝕列島 呪縛」を観てきた。午後9時過ぎの時間ながら、今日を逃すと後はビデオ鑑賞となってしまうため、できればの思いで足を向けた。鑑賞中は仕事後の疲れから来る眠気は皆無。冒頭からテンションは高く、観ているこちらまで渦中に巻き込まれていった。まもなく頑張るサラリーマンたちの銀行再生が始まっていった。

 物語は1997年東京。逮捕された大物総会屋に対する朝日中央銀行(略称ACB)からの高額不正融資が発覚。検察庁のあくなき捜査は続き、銀行トップが次々と逮捕されていった。銀行の中堅を支える企画部北野ら四人は、いまこそ銀行の自浄、再生が必要と立ち上がった。しかし銀行を巡る様々な呪縛は彼らを苦しめる。果たして彼らの行動は報われるのか。高杉良のベストセラーを、原作者自身も参画した脚本を基に映像化された。もちろん監督は原田眞人である。

 まず思ったのは、この作品が金融アクションだという事だろう。活劇といっていいほどのテンポの良さ。アクションと言いたくなる所以はとにかく彼らが走る事だろう。役所広司演じる駅伝部あがりの北野を始めACBミドルに検察、そして彼らを追い駆けるマスコミも走る走る。そして反面、呪縛を断ち切れず、うごめく銀行首脳と相談役たち。そのコントラストが劇的で不気味。特に仲代達矢の佐々木相談役は、権力への執着がひしひしと伝わる。そしてその先には脅し、ゆすり、たかりの総会屋たちが待っている。彼らを見つめる「エクソシスト」風のエンディング音楽も怖い。

 不満な点、細かな点を言い出すとキリがないかもしれない。クライマックスとなる株主総会は、いち個人株主の発言から事態は好転。ちょっとご都合主義的なところもあった。またキャスティング的に、再生を目指し頭取に座った根津甚八と役所広司を比べると、あまり年齢差を感じず、それなりの違和感がある。またブルームバーグテレビがACBの再生を助けるように、次々とスクープを流す。ただ実際のブルームバーグはスクープ主体の放送局ではない...など等。しかしそれを気にするのに余りあるドラマが控えている。

 立ち上がる4人のACBミドルへの感情移入、サラリーマン頑張れの気持。その源は彼らの演技力。いやそれだけでなく、彼らを助ける弁護士を始め、多くの端役に至るまで画面を活気づかせている。それを束ねる原田監督の手堅い演出は、映画という格を感じさせるもの。原田作品はとにかく演技レベルが高い。やはりテレビでは物足らない。これまでの三作でも触れてきたが、常に映画というこだわりを感じる監督さんだ。まして直接、生の言葉を聞いた事は大きい。そんな背景を想像しながら、これからも原田作品に注目していきたい。

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