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2006/02/12

「没後10年 司馬遼太郎からの”手紙”」を観る

 今日は家でのんびり。そんな午後、フジテレビの「ザ・ノンフィクション」を観ていた。いつも前売りオッズを取りつつ、「スーパー競馬」の前に何となく観てきた番組だったが、今回扱っていたのが司馬遼太郎の「二十一世紀に生きる君たちへ」。生前、司馬さんが教科書のために書き下ろした「洪庵のたいまつ」、そして当時この作品を授業で扱った教師、二十六人の子供たちのその後を追ったドキュメントである。始まってまもなく、いつも以上に身を乗り出して観ている自分がいた。

 製作当時、大阪の出版会社と司馬さんの意向が一致、小学校向け教科書と司馬作品というコラボレーションが実現した。しかしこの教科書を採用する小学校が無かったという。そんな中、瑞穂第一小学校のある先生が「洪庵のたいまつ」を扱いたいと出版社に打診。文章のコピーを得て、授業を進めたのだという。授業は一行一行を読解、解説しつつ進められていく。最後、そんな授業を受けた子供たちによる感想文は、一冊に厚く纏められ司馬さんのもとへ。そんなやり取り、そしてその後が紹介されていた。

 二十六人、全ての子供たちが影響を受けたのかと言われれば、それは当時の気持を持ち続けるのが難しいのは、この番組から垣間見えた。もちろん授業の影響から夢を追う者、歩き始めた者と様々な姿があった。ただ観ていて思ったのが、そんな授業を受けた彼らがうらやましかった事だ。ボクが小学校というと、奇をてらった授業を行うクラスも少なくなかった。そしてそういうクラスに限って、楽しく思えたりする。まぁ、隣の庭ほど良く見える、そんな発想も無い事もないが。しかしながら自分の受けた授業、教科書の散々たる姿を思うと、それは場違いな発想だったかもしれないけど。

 司馬さんが前述の先生との文通、最後に宛てた手紙の中、「変電」という言葉が扱われていた。司馬さんの文章を現場の教師たちが、翻訳してくれる期待を持っていたようだった。もちろんその結果、今回の授業である。感想文のエピソードで、司馬さんの喜ぶ姿が重なるとちょっと涙腺を刺激された。ただ「変電」できる教師、底辺の拡充は不可欠だろう。ひたすら改革を訴える、この国の宰相に欠けているビジョンの一つである。さて番組として興味深かったが、正味45分あるかないか。良質のドキュメントとして、もう少し観ていたかったなぁと思わせた。

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コメント

九州ではこの番組放送されなかったので、雰囲気が伝わり楽しく読めました。ありがとうございました。
本上さんがナレーションをやるということで知った番組ですが、私も司馬遼太郎さんの文章が好きだったので、見れないのが残念でした。

投稿: MH-Lotus(Rusty) | 2006/02/12 20:11

MH-Lotusさんこんにちは。
コメントありがとうございます。

さりげなく当時の教科書事情が紹介されました。巨匠とはいえ、その壁は高かったようです。ただ今では少しずつこの教科書が広がっているそうです。子供たちの朗読で番組が終わるところが胸を打ちます(^^ゞ

投稿: でんでん | 2006/02/12 21:01

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