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2006/02/26

DVD「頭文字(イニシャル)D THE MOVIE」(中国語版)を観る

 昨夜はDVDで「頭文字(イニシャル)D THE MOVIE」を観た。昨年劇場で観た作品だが、今度は主な出演者たちの原語である中国語(広東語)による鑑賞。この作品、実写化にあたっては原作の再構成、そして我々日本人からみれば、その言葉の壁が大きな話題を提供した。ボクは原作を全く知らないので、原作との構成の違いは判らない。しかし後者、言葉の問題なら印象を伝える事ができる。今でもこの中国語が、この作品の取捨選択を決めている点として挙がっている事実も踏まえて、だ。

 中国語による演技、違和感を感じない人はいないだろう。他の映画で聞き慣れているとはいえ、いきなり涼介と毅が広東語で話し始めると奇妙。いやエディソン・チャンとショーン・ユー(「インファナル・アフェア」の若い日の二人)なんだから映画ファンとしてみれば平気。ただ心の中でその境界線が、始まってしばらくせめぎあっていた。ただアンソニー・ウォン演じる拓海の父が登場、いつものBボーイぶりを披露する頃には、ある種の割り切りができていた。ただここに至るプロセス、普段映画を、特に香港や中国映画を観ない人たちには高く厚い壁なのかもしれない。

 公開前の情報から各出演者の演技は、それぞれの言語で行っている事は知っていた。そこでもう一つの壁が登場する。ヒロインの鈴木杏ちゃんは明らかに日本語のセリフで演じている。しかし広東語でアフレコされ、でも口元は明らかに日本語というギャップ。正直、このギャップが一番堪えた。劇場で観た時は日本語吹替版だったが、その時は普通に観れた不思議さ。ハリウッド作品に出演する日本人俳優はほとんどの場合、英語による演技を強いられる。英語でアフレコされた演技というと、「ブラックレイン」の若山富三郎くらいか。巧く口元と合わせていたようだが、先入観が微妙な違和感を生んでいたのを思い出す。

 この作品はボクら、観客の持つ先入観に評価が左右されると思う。これは彼らの話す言葉に限らず、物語も含めてである。ボクは物語に関して、全く先入観無く観る事ができたため、この作品を楽しめた。原作もの、ことさらマンガやアニメの実写化となれば、必ず積み重ねてきた世界観はつきまとう。限られた枠、時間となれば再構成は余儀なくされる。もちろん換骨奪胎し過ぎたり、またオリジナルの持つテーマが抜けてしまったりと、そういう作品になってしまう事は避けて欲しい。その点、この「頭文字(イニシャル)D THE MOVIE」は、その骨である青春ものとカーアクションをピュアに両立した佳作だと思うのだ。

画と音.
 音はやはり日本語DTSが最良。広東語DD5.1chは若干割り引く必要がある。広東語で観た場合、換装後のハチロクの変化を音で一応知る事はできるが、劇場で観た時のような明確な差を聴き取る事ができなかった。大多数の購入者、鑑賞者は日本語吹替で観ると思うので、大きな問題ではないが、原語を大事にしたい映画ファンとして、何かもったいない気がした。また大画面だと画はややソフトフォーカス気味。ナンバープレートの画面処理と合わせ、気になるところだ。

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コメント

こんにちは♪
TBありがとうございました。
こちらからTBが入らなくてごめんなさい。
私も原作を全く知らなかったせいか、素直に楽しむことができました。
日本の風景の中で日本人に見える人たちがセリフのみチャイ語というのはシュールな面白さがありました。
吹き替え版もチェックすればよかったわ~、残念!

投稿: ミチ | 2006/05/05 22:09

ミチさんこんにちは。

>日本の風景の中で日本人に見える人たちがセリフのみチャイ語というのはシュールな面白さがありました。

最近は劇場でも初めに吹き替え版ありきになって、原語の良さが失われつつあります。ただボクとしては吹き替えファンでもあるので、上手く共存できるといいのにと思ってます。その点DVDは優位性が高いですね(^^ゞ

投稿: でんでん | 2006/05/06 11:02

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