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2005/11/03

木を見て森を見ず[ボク流の映画の観方2]

スピード狂、車好きの幼なじみからこんな事を言われた。
「(実写版)『頭文字D』をベタ誉めしてたけど話は違うし、それにあれはGT-Rじゃないよ」

 遠大な原作コミック、たった二時間の映画でその全てを描く事は難しいと思う。コミックの読者、アニメのファンにとって欠かせないエピソードもあるだろうし、その点に異論は無い。またいろんなブログやサイトで読んだが、登場人物もかなり割愛され、物語共々そこが論議を呼んでいた。ただ「あれはGT-Rじゃないよ」と車のディテールを言われても、それはかなり細かく鋭いツッコミであるし、正直そう言われてもと、心の中で首を傾げてしまった。

 ボクは車にはこだわりがあるが、反面で苦手な領域でもある。たとえ思い入れは強くても、ディテールに目がいくほど知識が足らない。ただ映画の中で登場する車たちは十二分に魅力を発揮していたし、特に迫力のあるカーバトルはその撮影共々、目を見張った。この作品の主役、キモは走っている車の姿なのである。もちろんそればかりではない。監督が前作『インファナル・アフェア』でみせた人物描写と対極にあるシンプルな青春ドラマは、それはそれで良くできていたと思う。本作の車と人物描写は物語の両輪として興味深かった、それゆえの評価なのである。

 「木を見て森を見ず」という言葉がある。意味は小さいことに気を取られ、全体を見通さないことの例えである。ボクは映画を観る時、そのテーマに重きを置く。「映画評価する上、まず第一に脚本の出来不出来が大きなウェイトを占めている」と述べた事があるが、脚本=描きたいテーマと言っていい。だから車と人物描写は物語の両輪であり、実写版『頭文字D』はその上で他の作品と同じ土俵で評価した。だが冒頭で挙げた他所での様々な評価はまさに「木を見て森を見ず」であり、作品全体を評価したものでない。みな映画に対する経験値が低いため、比較する対象が明確でないからだ。アクション、SF、ラブストーリー、どんな作品にも共通するのは脚本=描きたいテーマであり、まずそこからの評価が妥当なのである。映画にしろ、小説にしろ、コミックであっても、媒体は違っても作者の言いたい事が伝わってナンボだと思う。

 そしてやっぱり映画は映画館で観て欲しい。もちろんテレビでも十分な作品は少なくない。しかし大画面でこその迫力もあるわけで、そこまで計算された環境は映画館とホームシアター位でしか得られない。さらに暗闇、集中できる場所でこそ、得られるものも多い。実は幼なじみの一件には大きなオチが秘められていた。彼は日本語吹替の存在も知らず、しかも字幕なしの実写版『頭文字D』を見たらしい。すなわちネットにはびこる海賊版ダウンロード。原作ファンとはいえ、広東語、言葉の解らぬ本作への評価に唖然。それ以上とても返す言葉は出て来なかった。

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