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2005/08/22

ガンダム的政治論「ギレン・ザビVS小泉純一郎」

こんな妄想をしてみた...

民衆を前、壇上にスーツ姿の男が上がった。男は熱く語りだした。
「我々は一つの法案成立の場を失った。しかし、これは敗北を意味するのか?いや!始まりなのだ!
超大国に比べ、我が国力は限られている。
にもかかわらず今日まで戦い抜いてこられたのは何故か?
諸君!我がジミン党の政策目的が正義だからだ。これは諸君らが一番知っている。
我々はかつて敗戦国と追われ、国は一度大きな貧困を味わされた。
そして、一握りのエリートら官僚で膨れ上がった官庁が支配して60年、この国に住む我々が自由を要求して何度踏みにじられたか。
ジミン党の掲げる国民一人一人の自由のための戦いを神が見捨てるはずはない。
私の...!諸君らが支持してくれた郵政民営化法案は否決された。
何故だ!?

新しい時代の覇権を選ばれた国民が得るは、歴史の必然である。
ならば、我らは襟を正し、この政局を打開しなければならぬ。
我々は過酷な社会を生活の場としながらも共に苦悩し、錬磨して今日の文化を築き上げてきた。
かつて、私は「全ての改革は郵政民営化無くして始まらない」と言った。
しかしながら郵政民営化否定論者共は、自分たちが既得権を有すると増長し我々に抗戦する。
諸君の父も、子もその彼らの無思慮な抵抗の前に屈していったのだ!
この悲しみも怒りも忘れてはならない!それを、郵政民営化否決をもって我々に示してくれた!
我々は今、この怒りを結集し、衆議院解散を介して、初めて真の勝利を得ることができる。
この勝利こそ、国民全てへの最大の慰めとなる。
国民よ立て!悲しみを怒りに変えて、立てよ!国民よ!
我ら国民こそ選ばれた民であることを忘れないでほしいのだ。
郵政民営化を行なう我らこそ国民を救い得るのである。ジーク・ジミン!...」

コブシを振り上げる民衆、微笑む壇上、演説を終えたロマンスグレーの男(つづく)。

 実は金曜から土曜未明まで、翌日が休出であるのにも関わらず、NHK-BS2で放送されていた「まるごと起動戦士ガンダム」をほとんど見てしまった。土曜はうつらうつらな中、いつの間にか、今の日本の立つ政局とガンダムの世界観が混在してしまった。特に放送された映画版「ガンダム」の第一部、ザビ家の長男ギレンが弟ガルマの死に際し、国民の前であらためて鼓舞する有名な演説があるのだが、この演説と奇しくも小泉総理の郵政民営化を固持する姿がダブっていたのだ。しかもギレン・ザビと小泉純一郎、彼ら二人に類似点は少なくない。

 まず二人は演説がうまい。巧みと言っていい。国民の心をギュッとつかむ名演説は両者に共通している。ギレンの名演は冒頭のパロディの元ネタにもなっているし、ガンダムを政治色あるドラマに位置付けた功労者でもある。声をあてた銀河万丈氏の低音と迫力ある演技と相まって、その演説は劇場版第一部のラストをきっちり締めていた。これに対し、小泉総理は感情を露にした声質という点で劣るが、迫力とボキャブラリーでは負けていない。ワンフレーズ・ポリティクスの申し子らしく、記録より記憶を大事にしているとも言える。

 そして二人は独身である。実は重要なファクターでこのコラムでも触れた事があるが、当事者本人が政策の正しさに一直線となるも、一番の舵取りは奥さんだったりする。「世界は女性で回っている」なんて格言もあるが、それは正しい。奥さんは本当に身近な小さな政府の大蔵大臣でもあるからだ。だから同時に今の小泉総理の財布の中身が心配だったりする。自分も含め、独身者はお金に疎いからね。そんな人が年金だ、サラリーマン増税だなんて、人任せになるのは当然。ギレンも新型モビルスーツ投入やソーラレイで国費を潰したろうし。

 そして二人は身近に(体格が)大柄な人物がいる点も似ていた。ギレンの父、デギン・ザビはまさに大柄。しかもジオン公国の長でもある。だが長男たるギレンは着々と力をつけ、デギンの下から独立、一人歩きしていった。そしてギレンは和平を画策したデギンをソーラレイの標的とし、連邦軍共々粉砕した。いわゆる父殺しである。一方の雄、小泉総理も居ました、とっても身近なところに大柄な人。その人こそ森喜朗元総理、小泉総理の支持派閥の長である。しかも森氏にとって今回の騒動は自民党にとって死に等しい行為、肉を切って骨を絶つ派閥解体である。だからこそデギンと森氏は、その風貌だけでなくかなり似た立場である事がわかる。「干乾びたチーズとビールだけ...」と会談後姿を現した森氏が悲しい。

 ギレン・ザビと小泉純一郎。その行く末は気になるが、ギレンは妹キシリア・ザビの手によって死んでいった。最後は身内の裏切りである。無理な政策が様々な歪みを生み、結果として身を滅ぼした。一方、確かに小泉総理は策士である。解散直後、用意周到に様々な刺客、くノ一、ホリエモンと次々と切り札を駆使、一見巧く運んでいるように思える。しかし術に溺れるという言葉もある。郵政民営化、派閥解体が進み新たな自民党を生んだのち、果たして小泉総理にどんな結末が待っているのだろうか。ギレンならぬ『小泉純一郎の野望』の結末は如何に。

050822

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コメント

笑わせて頂きました(爆
ギレンにキシリア・ザビがいるように、小泉首相には小泉姉(独身?)が控えてますよ。
いや~こんな見方もあったのですね。
『まるごと~』は途中まで観て、《激論》は録画して観ました。
『~Zガンダム星を継ぐ者』のDVDは予約済み・・・です。

投稿: Taj | 2005/08/23 19:15

Tajさんこんにちは。
いつもコメントありがとうございます。

>ギレンにキシリア・ザビがいるように、小泉首相には小泉姉(独身?)が控えてますよ。

えっ、総理にお姉さんがいるんですか?
しかも独身とは!
まさか口元をマスクするようなお姉さんじゃないでしょうね(苦笑)
「激論!モビルスーツ」は見ていて眠気がすっ飛びました。
翌日はお眠な一日でしたけど(^^ゞ

投稿: でんでん | 2005/08/23 19:26

笑わせてもらいました。
でも、私の中では、最近の小泉総理は、ギレン・ザビより、スターウォーズEP3のパルパティーン議長のイメージの方が強いです。
自民党が勝って、小泉首相が第2次大日本帝国を築いたりしようものなら・・・(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

投稿: Vester | 2005/09/04 18:43

Vesterさんこんにちは。
コメントどうもありがとうございます。

確かにダース・シディアスにも思えますね。要は扇動するスタイルが彼らに一致する感じかなぁと。総理の心がダークサイドに堕ちませんように(^^ゞ

投稿: でんでん | 2005/09/04 19:03

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