生き残るためのフォーマット
次世代光ディスクのブルーレイとHD DVDの規格統一交渉が、ほぼ決裂に終わりそうだ。年末にはパッケージソフトの第一弾タイトルが発売される事を考えれば、もうデッドラインを超えてしまった時期にあたる。お互いの窓口、ソニーと東芝は他事業で協力するも、次世代光ディスクに関しては、大人の事情で袂を分かつ事になってしまった。現在、現行記録型DVDはほぼ収束時期に入り、やっと二層記録式が出始めた矢先だが、スムーズな移行が求められる中で冷や水を差すような出来事となってしまった。
二大フォーマットの対決はかつてのVHS対ベータ(ビデオテープ)、LD対VHD(ディスク)、8mm対VHS-C(ビデオカメラ)とあったように、この業界では定番となった戦いだ。統一によるウマミよりも、戦って勝利した時に生まれるメリットを優先する、それがこの業界の基本的な考え方である。稀にNECの発売したMVDISC(Multimedia Video DISC)フォーマットのような変り種も登場するが、それらは政治におけるミニ新党のようで、実際は一般への浸透に至らない。
そしてその根底にあるのは「生き残るためのフォーマット」を模索する事。当事者にとってはまさに死活問題である。生き残るためには大きなものに巻かれるし、妥協もする。その違いが大同小異となりつつも、その小さな違いが当事者にとって重要と説く。そして主義主張を曲げようとすれば、やがて弾かれてしまう。そんな状況、どこかで見たことはないか。郵政民営化法案における賛成派と反対派、自民党内部の動向と似ている気がする。反対派の切捨ては、小泉総理の「生き残るためのフォーマット」の模索の末の出来事といえる。結果、反対派はミニ政党になっていった。
二大政党制を説く民主党も、自民党に対するアンチフォーマットだが、大同小異な点は先の郵政民営化反対派とほとんど立場は変わらない。そもそも自民党やその他野党の人材が結集した「生き残るためのフォーマット」である。しかも結束でなく結集である点は見逃せない。だからこそいまだに意見のまとまらない、頼りない野党第一党のままなのである。いいモノ、いい政治をするには「生き残るためのフォーマット」から「喜ばれるフォーマット」への転換が必要。例えばパッケージソフト、現在のDVD-Videoは老若男女から大きな支持を得た事を省みると、できる限りの規格統一は不可欠。何事も同じ、モノ作りしかり、政治しかりなのである。
民主党はベータなのか?
| 固定リンク
コメント
トラックバックありがとうございました。
次世代DVDと政党の話を絡めておられるあたり、とっても面白いです。
ちょくちょく拝見させていただきます。
投稿: k2matter | 2005/08/25 02:22
k2matterさんこんにちは。
コメントありがとうございます。
>次世代DVDと政党の話を絡めておられるあたり...
勢力争い、泥沼化という点で随分共通点があるものです。本当に困ったものです(^^ゞ
投稿: でんでん | 2005/08/25 05:19
DVD規格が二つあるせいで、ユーザが混乱しますね。
大阪でPCサポートしてます。
ブログにパソコンの選定基準や上手な使用方法を
書いてますので、一度見て下さい。
文章が長いですが、読んで頂けるとおもしろい!!と
思ってもらえるはずです。
宜しくお願いします。
http://blog.livedoor.jp/prtwqq/
投稿: prtwqq | 2005/09/23 21:42