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2005/08/03

「NIP/TUCK -マイアミ整形外科医-」シーズン1を振り返る(少々ネタバレあり)

 実は今週が「NIP/TUCK -マイアミ整形外科医-」の最終回だったのだ。先週末は『シリーズ前半を振り返る』なんてすっ呆けてしまったが、あまりに結末は突然過ぎて、エンドタイトルでは唖然としてしまった。アメリカのドラマは全て2クールだと思い込んでいたら、このドラマは十三話で終了。でも考えてみればこの内容の濃さ、あのテンションで2クール続けていたら、主人公二人は心身ともに力尽きていただろう。いやこの最終回、第十三話の時点でも主人公の一人、ショーンはかなり参っていた。

 まず全てを失ったショーン、その一方で家族を手に入れたクリスチャンとの対比が興味深い。初登場時、あれだけギラギラしていたクリスチャンの姿はそこに無い。むしろショーンの満身創痍とした決意、凄みのあるエスコバルとの対決。そこでショーンは全てを失った時の男の強みを見せつけた。しかもクレバーな方法でエスコバルを追い詰めていく。痛快なクライマックスに思わずニヤッとさせられた。でも本当にアレで大丈夫なんでしょうか...なんて野暮な事は無しにしたい。

 DNA鑑定後のジュリアに向かって放たれた「事実が判っても、他の人に言う必要は無いんですよ」というセリフ。意外にこのドラマのキモになっている気がする。このドラマ全体に相通じるのだ。ショーン、クリスチャン、ジュリアに息子のマットとそれぞれに隠すべき秘密を持ちつつ、物語は進んでいった。特にモラルを考えれば犯罪ギリギリ、いや必ずしも許される事ばかりではなかった(明らかに手が後ろに回っていた)。その上でこのドラマ、美容整形という隠すべきタブーというオブラートで包みつつ、人間の持つ本音を引き出した面白さが目を惹いた。だからこそ何でも真実、謎解きに走る必要は無い。それでなくともこのドラマにおける登場 人物たちは生々しく、その奏でる人間ドラマこそが「NIP/TUCK」の真骨頂だろう。

 ユーモアで始まったこのドラマ、ちゃんと最後もユーモアで締めてくれている。そこがこのドラマ、大人だなぁと思うところ。しかもクリスチャンの課せられた結末...しかし生まれた命に対する責任、芽生えた親心。シーズン1通して見てみるとその変化も面白い。もちろんショーンも、マイホームパパから一人の男への変化を魅せてくれた。そして全米で放送中のシーズン2だが、新たなクライアント、そして新たに生まれるドラマを期待しつつ、その放送を待ちたいと思います。

050803
          シーズン2で逢いましょう

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