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2005/07/04

ユーイチ&シーザリオ、痛快なアメリカンオークス勝利

 競馬をやっていると痛快な事がある。荒れたレースを的中させた時、強い馬が出て、もう何も言えないくらいに圧勝してしまう時、いろいろある。最近なら二冠を達成したディープインパクトの勝ったダービー。ああいうレースを見せられるとただ笑うしかない。そんな中、日本時間の今朝、アメリカから痛快なニュースが飛び込んできた。何と日本のオークス馬シーザリオが、GIアメリカンオークスを勝ったというのだ。昼に会社のパソコンで初めてそのニュースを見た時、背中がゾクゾクしてきた。帰宅後に映像を見て、鳥肌が立った。

 日本馬がアメリカのGIを勝つ、これほど痛快な事は無い。過去、日本馬で海外重賞を勝った馬は古くはハクチカラあたりらしい(ニュースからの引用(^^ゞ)。しかしGIとなるとシーキングザパール(仏モーリスドギース賞)、タイキシャトル(仏ジャック・ル・マロワ賞)、エルコンドルパサー(仏サンクルー大賞)、アグネスワールド(英ジュライC)、ステイゴールド(香港ヴァーズ)、アグネスデジタル(香港カップ)、エイシンプレストン(クイーンエリザベスⅡ世C、香港マイル)とステイゴールドを除けば全てマル外、外国産馬。日本から勝ちに行くリスクと共に、まだ血統の壁があった。だがシーザリオは違う。"(父)"とつく通り、父内国産馬という立場である。

 アメリカの競馬ファンは驚いただろう。父スペシャルウィーク、Specialweek?そんな馬は聞いた事がないと思ったのではないか。だがシーザリオがサンデーサイレンスの孫だと知って納得したに違いない。ひと昔前なら、良血は潰されると危惧された東方の島国で、脈々と英雄の血は広がっていた。いや日本のファンならご存知の通り、サンデーサイレンス産駒はGIを勝ちまくり、次世代に血を繋いでいった。その一頭がスペシャルウィーク。筆者的には最強のサンデー産駒(Dインパクト登場までは)だと思っているが、その彼の産駒がダービー二着(インティライミ)、そして今回の日米オークス制覇と大活躍。ただシーザリオ自身、このレースで二番人気に支持されていたように、単なる刺客という評価ではなかったようだ。

 夢の実現は馬の能力だけで決まらない。ユーイチこと福永祐一の好騎乗、これに異論はあるまい。日本のオークスでは後手を踏んだスタートが響き、「馬に無理な競馬をさせた。馬に助けられた」と自らを正した彼だが、今回は無理の無いよう二番手を進み、最後の直線、ゴール前では4馬身差をつけた。とにかく今年のユーイチは違う。けっして同じ間違いは起こさない。しかもチャンスに強くなった。それは有力馬で結果を出す事、特にお手馬で出す結果は揺るぎ無い。メイショウボーラー、ラインクラフト、そして今回のシーザリオ。皆、ほぼユーイチが手綱を任されている馬たちである。

 以前、インタビューでユーイチは「そうしないと(武)豊さんには敵わないから。自分でいい状態に持っていったり、自分の乗りやすいようにしないと」と話していた。理想に近いレースを進めるため、そして勝つためにはそうした努力が必要というのだ。しかも今年は結果を出している。先の馬による春のGI4勝が光っている。そして海の向こうでの更なる戴冠。武豊もうらやむであろうアメリカでのGI勝利。しかも日本調教馬であり、内国産馬。ちなみに武豊はスペシャルウィークに乗っていた。

 アメリカンオークスを狙った陣営も評価に値する。新進の角居調教師はデルタブルース、このシーザリオとGI馬を手掛けている。日本でオークスを勝った直後、シーザリオとディアデラノビアでアメリカンオークスを目指すと明言。そして結果を出した。でもこの「結果を出した」というのが難しい。前述の通り、日本から勝ちに行くリスクは尋常でない。ジャパンカップで外国馬を迎え討つのとは大きく違う。アメリカの牝馬戦線を見据え、しかも勝てる競馬を実現したのは凄い。とにかく今回のアメリカンオークス優勝には、いくつもの痛快が秘められている。とにかく今回の優勝は痛快だ。

050704

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コメント

先日はトラックバックありがとうございました。
私もblogにもコメント頂きましてありがとうございます!

そうですね。自分が応援してる馬や騎手が勝ったときのビデオとかは何度見てもいいものですね。

これからもよろしくお願いします。

投稿: あひるの隊長 | 2005/07/05 17:43

あひるの隊長さんこんにちは。
トラックバック&コメントありがとうございます。

ビデオを観てます。あと12分で発走だそうです(笑)。
それはさておき、今年はダービーを何度も見てしまいました。
勝ったレースって本当にいいもんですね(^^ゞ

投稿: でんでん | 2005/07/05 17:49

はじめまして!
トラックバックありがとうございます。
私もスペシャルウィークが一番サンデーらしかったと思っています。
デビュー戦見た瞬間にダービー勝つと思ったぐらいですから…。
ブリーダーズカップの話も出ているようですが、ターフにまわっても勝てるのではないかという内容でしたね。

投稿: クルーゼ | 2005/07/05 19:33

クルーゼさんこんにちは。
トラックバック&コメントありがとうございます。

新馬は見てました。
でも500万でアサヒクリークに負けて、
ケチがついてしまいましたが、
スペシャルもあの時は体調が悪かったようです。
あとはご存知の通り、東京コースの似合う名馬でした。

ほんとブリーダーズカップ・ターフ...冗談と言えない展開ですね(^^ゞ

投稿: でんでん | 2005/07/05 20:02

楽しく読ませて頂きました。
TBして頂き、ありがとございます。
お返事、遅れてごめんなさいです。

これからも宜しくお願い致します☆

投稿: 康子 | 2005/07/06 08:23

康子さんこんにちは。
トラックバック&コメントありがとうございます。
こちらこそこれからもよろしくお願い致します。

投稿: でんでん | 2005/07/06 15:21

ブログ読ませて頂きました。
かなり詳しく書かれていますね。
凄いです。とても参考になりました。

投稿: ayu_osamu | 2005/07/06 23:23

ayu_osamuさんこんにちは。
コメントありがとうございます。

>かなり詳しく書かれていますね。

これも競馬暦の賜物です。
しかしながら馬券に直結しないのは玉にキズですが(^^ゞ

投稿: でんでん | 2005/07/06 23:35

早速TB有り難う御座います。
またブログ読ませて頂きますね。

投稿: ayu_osamu | 2005/07/06 23:37

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