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2005/07/30

「NIP/TUCK -マイアミ整形外科医-」シリーズ前半を振り返る

 毎回見逃せない「NIP/TUCK -マイアミ整形外科医-」。スカパーのFOXチャンネル、今週までに12話を終えているが、そこでシリーズ前半を振り返り、あらためてこのドラマの魅力を考えてみたい。このドラマの魅力はズバリ、虚飾と本音のコントラストである。このドラマにおける虚飾とは「整形」であり、タイトル通りに一つの柱になっている([NIP/TUCK]とは美容整形の意味)。ただ本作における「整形」は様々。患者の欲求ばかりでなく、エゴの果てに犯罪に利用される事も少なくない。ある意味、形を変える事自体が罪ではあるが、それをさりげなく視聴者に投げかけてくる。

 しかしこの作品の本当に訴えてくるものは、本音の部分である。過激なセックス描写ばかりが取り沙汰されているが、実際には本作が語る本音の一部でしかないし、むしろそこから生まれる様々な悩みに派生していく。これを主人公二人に顧みれば、クリスチャンならば幼少期に受けた虐待まで遡るし、ショーンなら破綻しかけた夫婦生活の果て、癒しを受ける出会いと別れ、また大切な家族を守る意味で手を汚していく。実はこの作品はキレイに描くドラマではない。人も死ぬし、モラルを逸脱した面も描かれている。しかしそこから生まれる悩み、葛藤、本音が何とも興味深く、本作を観続けている大きな理由となっている。

 第1話にして彼らは一つの大きな事件に巻き込まれるが、それが今週12話になって再び伏線として登場してきた。人間ドラマとは別に、こうしたサスペンスフルな展開も目を惹く面白さといえよう。また本作の良さは1話完結ながら、サブキャラを全て捨てずに各話で再登場させる事。彼らの登場で主人公二人の描写をより深くしている。特に作品前半の転換期となったメガンの登場はショーンの心の拠り所だった。しかし先に述べた通りに思いも掛けない別れと対峙する事になる。マイホームパパ的に面白味の欠けたショーンだが、人間性が表れたエピソードだった。本作はそうした人間ドラマが面白い。

 クリスチャンの現在に至る経緯、そして彼にとって新しい命の誕生は今後どのように展開していくか。そして来週も続くショーンとエスコバル(凄みのある刺青!)との攻防。意味深な次週予告には大きな波乱を秘めている。全米で最もホットなテレビシリーズと称されるだけあって、後半も期待できる。なお本国では第二シーズンが始まったらしく、こちらの日本放送(来年位か)も期待したい。ちなみにトロイ・クリスチャン役のジュリアン・マクマホンは夏のSF大作「ファンタスティック・フォー」に出演、今最も旬な俳優といえよう。ただ本作での役どころはほとんどマスク、悪役という残念な面は否めないところだが。

※シーズン1は全十三話でした。という事で今回の表題は間違ってます。申し訳ありません(05/08/03)

050730
トロイ先生に何が起きた?(映画「ファンタスティック・フォー」より)

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コメント

TBありがとうございます。
書き込むのが遅くなってしまいました。
NIP/TUCK、昨日で最終回を迎えてしまいました。シーズン2いつ放送されるか分かりませんが、楽しみに待つしかないですよねv

「ファンタスティック・フォース」、CM見るたびに「トロイ先生!」と言いながらみてますvせっかくかっこいい顔なのにほとんど仮面被ってるのがちょっと悲しい気がしますが(笑)
ジェシカ・アルバも出てるので見たいなーとは思ってます。

投稿: RIKO | 2005/08/03 12:02

RIKOさんこんにちは。
こちらこそコメントありがとうございます。

13話で終わりだったのですね。昨日はリアルタイムでOA観てたのですが、突然「シーズン1は終わりです」と出て呆気にとられました。ラストは痛快でしたけどね。

>シーズン2いつ放送されるか分かりませんが、楽しみに待つしかないですよねv

一年待たされるのかなぁ。その前にシーズン1が地上波...って事は無いかぁ(^^ゞ

投稿: でんでん | 2005/08/03 18:53

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