« 『プレイステーション3』最強の装備とは? | トップページ | 来週はダービーというのに... »

2005/05/19

「クロサワ映画 角川版」に物申す

 角川春樹が黒澤明監督の作品のリメイク権を獲得したという。対象となったのは「用心棒」「椿三十郎」の二作品。角川氏は朝日新聞(5月18日夕刊)の記事で「映画は作られた時代の中で成立する部分が大きい。黒澤も例外ではない。脚本を現代風に練り直す事で、若い世代も興味を持ってくれるはず...(文省略)」とコメントしている。また角川氏は今回のリメイクを日本にとどまらず、海外進出も視野に入れているという。非常に興味深い話だが、どうしても気になる事がある。

 黒澤作品のリメイクは今に始まった事ではない。最も有名なのは「七人の侍」をベースにした「荒野の七人」。リメイクというよりは、設定を置き換えた別翻訳品というのが正しい。「荒野の用心棒」も同じだが、いずれも西部劇が舞台となっている。日本国内よりも海外でのリメイク、オマージュともいうべき、黒澤作品はそんな扱いを受けている。だからこそオリジナルとは別の作品と捉える事ができるのだ。果たして今回のリメイクの趣旨はどうだろう。

 まず気になるのは「現代風」と称している事。ただこれは全く舞台を現代に置く意味なのか、それともセリフを解りやすくするための処置を指しているのかは不明。なおその翻訳役、脚本は福井晴敏氏が担うという(また「逆シャア」になってしまうのか...なんて事はないが)。ただそれはさておき「用心棒」「椿三十郎」共、舞台を現代に置き換えるのは難しい。特に「椿三十郎」は時代劇であるがゆえに成立する場面も多く、面白さ、伏線はその時代背景にあるからだ。

 そして最も大事なのは三船敏郎という存在。全盛期の黒澤作品=三船という図式は堅い関係にある。しかも彼の持つユーモア、迫力、存在感とこれだけ秀でた日本の俳優を知らない。むしろ同じだけ、あるいはそれ以上の個性を持った主役を据える事ができるか。これはリメイクなんかで描けるものではない。もし若い世代に...というなら、絶対にオリジナルを観るべきだと思う。そのオススメ点を挙げていったらキリがない。そこに世代を超えた面白さが秘められている。

050519
    朝日新聞(2005年5月18日夕刊)の記事

|

« 『プレイステーション3』最強の装備とは? | トップページ | 来週はダービーというのに... »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/58265/4189898

この記事へのトラックバック一覧です: 「クロサワ映画 角川版」に物申す:

« 『プレイステーション3』最強の装備とは? | トップページ | 来週はダービーというのに... »