武豊TV!
武豊は名実共に日本を代表するトップジョッキーである。その武がよく言葉にするのがシュミレーション。我々でいう展開予想だが、騎乗する立場となればスタート、コースや位置取り、さらに仕掛けどころに加え、相手との位置関係が加わり、とても難しいものとなる。しかしそのシュミレーションの中で、最高のパフォーマンスを引き出すのがプロ。そんな武豊が自らの騎乗を、各開催終了時に解説する番組が「武豊TV!」(CSフジテレビ739)である。
競馬を少しでもやった事のある人ならば、如何に展開予想が大事か判るはずだ(なお競馬予想に展開予想を持ち込んだのは故・大川慶次郎氏と言われている)。たとえ強い馬だったとしても、抜け出そうにも馬群や前の馬に遮られたり、弱い馬でも人気馬が牽制し合って自滅する中、勝ち切る場合もある。しかし、そこに生まれる展開のアヤにはしっかりとした裏づけがある。正直、第一回の放送から早々、目から鱗が落ちた思いだ。
競馬におけるスタートの大事さは言うまでも無い。しかしゲートを出た後の馬群の隊形が如何に形作られるか。しかもレースにおける主導権、勝ち馬の存在は何処にあるかを解説。もちろん出走馬のクセ、古馬と三才馬のレースにおける傾向の違いも興味深い。特に経験の浅い三才馬。逃げ馬が物見をしながら走れば、勝負どころの直線手前、内が空くとは理にかなった理論。これはチューリップ賞を勝った弟幸四郎の事を言ったものだが、勝っても負けてもそこから学ぶ点があるとのは、トップジョッキーであろうと変わらぬ言葉である。
ちなみに"友人"と公言する見栄晴との掛け合いトークが軸。同じフジテレビ739の「競馬予想TV!」の姉妹番組でもある。見栄晴自身も競馬に関する見識が高く、展開、馬場の程度と武に鋭く質問。今後も"友人"らしい見栄晴のツッコミに期待したい。次回はアドマイヤマックスで外枠不利を覆した高松宮記念、さらに今週の桜花賞、来週の皐月賞と有力馬の解説が目白押し。競馬ファン必見、CSを見る事ができる環境ならば、是非見て欲しい番組だ。
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