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2005/03/16

「ローレライ」を観る

 昨日、15日火曜は、地元のジョイランドが千円のサービスデーだったので、三島で「ローレライ」を観る事にした。「ローレライ」は福井晴敏原作「終戦のローレライ」と競作という形で、映画版が製作されたそうだ。第三の原爆は映画版からのインスパイアだったという事らしい。とはいえ、原作版を読んでいないため、何処がどう違うかは全く判らない。ただ原作者の福井氏は「BSアニメ夜話」機動戦士ガンダムの回に出演時、熱く語っていた通り、キャラの造形は少なからず、ガンダムの影響を受けているのだろう(ちなみにあの富野由悠季氏もチョイ役で出演している。正直、エンドロールで気がつくまで判らなかった)。樋口真嗣監督と相まって、本作は非常にアニメ色が強い作品であった。

 まず何といったってローレライシステムである。予告を観て、ある程度この作品のキモが判った人も多いのではないか。アニメ色が強い要因はここにある。潜水艦映画に傑作は多いが、男臭いむさ苦しさが漂うものばかり。しかしこの作品では、ローレライシステムの一部であるパウラの存在、そして妻夫木聡の若い操舵手との交流が甘ったるく、物語にピリッとしたものがない。しかも船員はみな汗臭くないし、これ見よがし役所広司の無精ヒゲばかりが目立つ。

 正直、役所広司は役所広司である。役者には二つのパターンがあって、カメレオン的に役になりきるタイプ、そして演じるキャラを自分のテリトリに持ち込むタイプがある。役所は明らかに後者のタイプで、魅力的に描かれたキャラであれば本領を発揮。しかし本作の艦長はややありきたりで、役所広司でなければという役柄ではなかった。ましてアニメ的な描写の多い映画では、ある程度濃いキャラを要求される。妻夫木聡もそうなのだが、どのキャラもあっさりし過ぎていた。むしろピエール瀧の演じた田口掌砲長のほうがウェルバランス。キャラ的に誰が観客を引っ張るか、その点でも物足らなかった。

 ただ全くダメダメな映画というわけではない。訴えたい事も判る。でもあらためて本編を観て、客層がはっきりしない予告編はマイナスだと思ったし、やはり誰もが受け入れられる設定ではない。純然たる戦争映画だと思った人は、相当肩透かしを喰らった事だろう。潜水艦映画の傑作「Uボート」「レッドオクトーバーを追え」等、これらと肩を並べるところに至っていなかったのが本音だ。

lorelei

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コメント

コメントありがとうございます。
本当ですね!
堤真一は“逆シャア”を観ているかのようでした。
今後ともよろしくお願いいたします。

投稿: うぞきあ | 2005/03/19 10:29

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