惨敗、コスモバルクの行方
今日は少々お出掛けをしてから、G2日経賞を馬券は買わずにテレビ観戦、気になっていたコスモバルクが出走するからだ。昨年、地方馬ながらクラシックは皆勤賞で参戦し、さらにジャパンカップを二着と好走。さすがに有馬記念は御釣りが残らなかったが、今もファンの多い馬だ。そんなコスモバルクはホッカイドウ競馬のトップジョッキーの一人、千葉津代士を鞍上に迎えた。これまで中央参戦に関し、バルクの背中は五十嵐冬樹が任されてきたが、交替した形。中央で人気馬の乗り替わりは少なくない。だがバルクとなれば、話は違う。それだけに今年初戦が気になっていた。
そんな胸騒ぎは現実となる。本馬場入場、キャンターに返すと突然イレ込むようになっていた。さらにレース発馬直後も止まらない。常に頭を振るバルク。これほどひどい姿は見た事がない。お手代わりの上、千葉はバルクを気持良く走らせる事ができなかった。たぶん五十嵐ならとりあえず行かせて、気持をなだめさせただろうが、千葉は馬群に入れて折り合わせようと試みている。普通の馬ならこれでいいのだが、バルクは違う。だからこそなかなか結果に結びついてこなかったのだ。今回の日経賞、道中のスタミナをロスし、伸びを欠いて六着に敗れた。
コスモバルクの歯車が狂い始めたのは、前走の有馬記念からである。オーナーサイドがゼンノロブロイをマークするよう五十嵐騎手に指示。五十嵐は敢えて行く形を採らず、道中は抑えてレースした。ただ客観的に見ても、そんな指示が適当だったとは思えない。そして今回の乗り替わり。しかも戦前、天皇賞・春の出走権を得られなければ、中央入りが宣言されていた。すなわち今回の敗戦でバルクは田部調教師の手を離れる事になる。経済動物たるサラブレッドゆえ、今回の決断はやむを得ないと思う。
しかしマイネルの岡田総帥の執る闇雲な姿勢はどうかと思う。自分の馬と割り切るなら、有馬記念出走は余計に思えるし、距離適性の限界を露呈した菊花賞を考えれば、春の天皇賞よりも宝塚記念を重視したローテーションが良かろう。それなのにファンの馬だからと有馬記念を走らせる一方、今回のように中央転きゅうを口にする。ファンは地方馬だからと声援を送っているのに、その心理は理解しない。しかもどっちつかずの姿勢は、せっかく能力のある馬を苦しめる。ただどんな立場であれ、強い競馬をすればファンは自然とついてくるのだから。
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