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2005/02/20

ビター・スイート・サンバ

 学生時代はラジオ三昧だった。FMで最新ヒット曲をエアチェックし、AMで雑学や笑いを学ぶ日々。特にニッポン放送は笑いの宝庫。「くるくるダイヤルザ・ゴリラ」等の9時台から、「オールナイト・ニッポン」の深夜帯にかけて、宿題や試験勉強をしながら過ごしたものだった。もちろん「電話好きっ子ラジオっ子」や笑福亭鶴光の「オールナイト・ニッポン」等のお色気もあって聞き逃せない。ただあまり言ってしまうと、年がバレてしまいそうだが。

 そんな番組群を持っていたニッポン放送がご存知の通り、堀江社長のライブドアに株の大量取得された。ニッポン放送はフジテレビとのグループ関係も、互いを補間しあう株主でもあり、売上高は遥かに上回るフジテレビも、ニッポン放送の経営権を奪われてしまえば、同時にフジテレビも支配下に入れる事ができる構造。株に詳しくないので細かな過程は解らないが、現時点ではその鍔迫り合いの最中という事。堀江社長の野望はその巨大なフジサンケイグループを手に入れる事にある。

 今回、噴出した問題は守られたルールと経済におけるモラル。時間外取引とはいえ、堀江社長に全く非は無いし、かといって財界から出た意見にも余地がある。ただメディアが買収抗争に巻き込まれるのは、時代の要求だと思う。堀江社長に言うメディアの融合はよく解る。ネットによる配信による即報性、双方向性にテレビ、ラジオ、新聞の強みを融合させれば、さらに大きな力を発揮するだろう。ただそれは同時にライブドア側のコンテンツの枯渇を露呈し、結果として堀江社長を人生の一大勝負に押し出した。

 だが今回の問題で露呈したのはそればかりでない。やはり日本においてテレビの力がまだまだ強いという事。一方的な言論のアピール度はメディア随一である。テキストの文字より、映像共々与えるインパクトは強い。そしてもう一つはライブドアの背後、リーマン兄弟証券の存在。巨大外資の一証券会社が動いた背後には、海の向こうに更なる大きな存在があるのではないか。この騒動の終焉、堀江社長の耳に流れるのはビターか、スイート、果たしてどちらのサンバが流れるのか。

注:「ビター・スイート・サンバ」とは?
「ビター・スイート・サンバ」はトランペット奏者ハーブ・アルパートの楽曲であり、深夜放送「オールナイト・ニッポン」のオープニングテーマとして使用された曲で有名。メロディーが流れれば、おそらく知らない人がいない曲の一つだろう。

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