日本たばこ産業よ、嫌煙者の気持を理解しろ!
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日本たばこ産業はたばこのラベルへの健康影響の記載を大きくしたという。朝日新聞(平成16年11月6日朝刊)に小さい記事ながら写真付きで「肺ガン原因・・・たばこ警告 強化」と銘打たれている。記事を要約すると、『タバコを吸うと健康を損なう恐れがある』という事だが、何処か間違っていないだろうか。大体この警告は喫煙者に向けられただけものであり、その環境、しかも周囲、他人の迷惑等が考えられたものではない。嫌煙者の健康被害等、ひと言も語られていない。
今年になって、日本たばこ産業は喫煙者へのマナーアップに懸命だ。施行された健康増進法がその背景だが、その手法は間違っている。一見、効果アリと思われがちだが、本来あるべき『他人に対してこういう迷惑を与える』というアプローチではない。オンリー・ミー(私だけを)、こうなるけどそれでも迷惑を掛けますか、という程度、強気の姿勢は見られない。CMもテロップが見難い上、何を啓蒙したいのか伝わらない。最もお客さま相手に『人前で吸うな』とは言い切れないだろうが、あんなイメージ広告に何人の喫煙者が振り向くのだろうか。
犬と散歩すると、いつもより吸いがらが目につく?
喫煙者の皆さん、ホントですか?(JTCMより)
そもそも喫煙者の吸う主流煙よりも、周りに流れる副流煙のほうが毒性が強い(当時厚生省(現厚生労働省)「喫煙と健康」より)。しかも喫煙者のほとんどは、主流煙のほうが毒性があると誤認している。日本たばこ産業の論理は『環境中たばこ煙は、空気中で拡散し、薄められているので、喫煙者が吸い込む煙中の化学物質の量と比べると、非喫煙者が吸い込む量は極めて少ないものです』と言い放つ。ここでも厚生労働省の見解と相反する。またホームページには『喫煙者と非喫煙者の共存』と題されたページが存在するものの、本来伝えるべきトップページからのアクセスはできない作りとなっている。
嫌煙者がたばこを嫌う理由は健康だけに留まらない。筆者はたばこの臭いが入ってくると集中力が途切れるので、仕事の効率を考えると日々の悩みの種。職場で何度か申し出をしたが、中には「それは嫌みか?」と逆切れ発言を受けた事がある。「オレはタバコの煙は平気」とのたまう上司もいるが、アンタ呑むとたばこ吸ってるでしょ。残業規制の中、仕事の効率化を訴える会社だが、本末転倒、かたや一服とタバコをふかして時間を潰し、一方では煙を嫌って仕事が進まない姿がある。土日にどっと疲れが出るのも、そんな狭間で生まれるストレスの果てである。
こんな背景ではいつまで経っても、喫煙者にとって受動喫煙という言葉は浸透しそうにない。裏腹で莫大な税収、つねづねこの国は喫煙者にやさしい国だと思う。国がそうだから企業もしかり。国と日本たばこ産業の蜜月、まだまだ健康増進法の効力は十分とはいえない。だが税金を払っているのは我が嫌煙者も同じ。国は嫌煙者の立場でもっと強いアピールをして欲しい。そもそも喫煙者にモラル無し。いまだ絶えないタバコのポイ捨ては見逃せない。そして日本たばこ産業、嫌煙者の気持を理解しろ!まぁもっとも警告、案内文を全て書いたら、パッケージは耳無し芳一並みに文字で覆い尽くされるだろうけどね。
吸いがらを排水溝に捨てた。というか隠した...
それって不法投棄、犯罪になりませんか?(JTCMより)
本気で喫煙者に向かってメッセージ出してます?(JTCMより)
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たばこに関する警告表示等各国別比較
http://www.health-net.or.jp/tobacco/oversea/ov951000.html
外国のタバコパッケージ警告表示
http://www.pat.hi-ho.ne.jp/ten250/biyou/eu.html
たばこ 変わる警告表示 写真や絵でわかりやすく
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/life/li391001.htm
禁煙教育用フォトアルバム
http://photos.yahoo.co.jp/phnetwork
食の安全とタバコ
http://www.pierre-matsuo.com/foundation.html
タバコの弊害と敵の正体
http://media.excite.co.jp/News/weekly/040113/topics_p03.html
投稿: 参考資料 | 2005/07/02 13:25