2018/05/14

「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」を観る

今日は「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」を観た。今年の米アカデミー賞でゲイリー・オールドマンが最優秀主演男優賞、辻一弘さんがメイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞している。ヤセ型のゲイリーが見事な変貌ぶり。僅かな違和感が作品への没入を妨げるものだが、微塵も感じずに観終える事ができた。それだけでなく本作は、今年これまで観た映画の中でNo.1だ。

1940年5月英国。ナチスドイツのヨーロッパ侵攻にフランス撤退を余儀なくされ、30万の軍人たちの命が晒された状況。そんな中チェンバレン退陣に伴い、首相に就いたチャーチル。海軍大臣とこれまでの経験を買われた就任だったが、与野党を入り混じった戦中内閣である事は否めず、その足並みは揃わなかった。ドイツの侵攻と矛先はイギリスに向こうとする中、チャーチルは決断を迫られる。

原題「Darkest Hour」。世界にとって"最も暗い時"である中、チャーチルのある決断に至るまでの物語。これまで力強い手腕というイメージのチャーチルだったが、そう単純では無く、戦況と内閣での駆け引きに巻き込まれ、講和か戦争かと苦渋の選択を迫られていた。

また世間とのギャップを巡るエピソードはのちの地下鉄での出来事に繋がる。そこに至る経緯は国王との関係性が後押しするところ等、見どころは多い。ダンケルクでの救出劇、ダイナモ作戦成功は名演説へ結ばれていく。まさに言葉を武器としたチャーチルの真骨頂。スクリーンの中、ここにいるのはゲイリーでなくチャーチル、その人だった。戦況だけの音響映画「ダンケルク」と違い、本作のドラマ性こそ映画本来のダイナミズムだと思う。

この作品は単なる偉人伝としてだけでなく、チャーチルとて第二次大戦末期退陣を余儀無くされ、完璧なリーダーではなかったと伝える。そしてリーダーとしての資質、求められるものをも問い掛けている。エンディングでのチャーチルの言葉、そして決して言葉だけではない姿勢、苦境と対峙する事の大切さは昨今のリーダー論への回答かもしれない。

余談だが本作の冒頭、ちょっとした調理シーンに鷲掴みされた。そういうところも好き。また夫人を演じたのが「モンタナの風に抱かれて」のクリスティン・スコット・トーマスだとエンドロールを見るまで気づかなかった。派手さはないが、関白亭主を支える姿に好感。

我が国、身近なところを顧みてそんな人、姿が見られないのが残念。本作を観ていて、そんな苦境と我が心がシンクロした。そして本作は小さな光に思えた。大推薦である。

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2018/05/13

カシオ「ゲーム電卓 SL-880-N」を買う

カシオ ゲーム電卓 SL-880-Nを買った。発売日に入手し遊んでいたが、忘れた頃にエントリー。ちなみに世間では売り切れ状態で夏まで入荷待ちらしい。

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カシオのゲーム電卓とは「当社が1980年に発売したゲーム電卓「MG-880」で好評を博した、電卓の数字表示をそのまま使ったシューティングゲームを搭載。シンプルの極みでありながらも奥の深いゲーム内容...」以上、カシオHPから引用。

1980年「MG-880」は小学生だった自分に両親が買ってくれたもの。当時はファミコンは発売前。任天堂ゲームウオッチやエポック社カセットビジョン、そしてスペースインベーダーと「ゲームセンターあらし」によるテレビゲームブーム。

ゲーム電卓のルールはシンプル。右端から出てきた数字とAIMボタンで左端の数字を合わせ、FIREボタンを押し消すシューティング。消した数字の合計の下一桁がゼロの時、UFOが現れる。消すと高得点。

実はこのゲーム電卓は「ゲームセンターあらし」でも取り上げられていた。おバカな主人公あらしはUFOを出す、高得点する知能が無かった。そこであらしは見えない程の速度で数字を消していき勝利した(と記憶する)。

リニューアルされたSL-880-N。目立つのは液晶大型化とソーラー化。税率計算も平成の世ならでは。ゲーム音のON/OFFは搭載するが、オリジナルにあったかどうかは覚えていない。

そして久しぶりにゲームしてみる。電卓を机に置いて、両人差し指でプレイするスタイル。子供の頃は1ゲーム30分くらい連続、10万点近くいっていた気がするが、今改めてゲームしてみると5分続ける事すら難しい。昔と変わらず回を進めると進行スピードが増加、計算するより数字を消すのに精一杯で2万点どまり。昔は子供の時なりに反射神経が良かったのかもしれない。

さてこのゲーム電卓。発売当時、第2弾以降新作を発表。第3弾のボクシングは持っていた。ただスマホ全盛の今、出てくる余地は無さそう。そんな平成の世、我が子にシンプルイズベスト、昭和のゲームを味わさせてみたい。

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2018/05/12

「孤狼の血」を観る

今夜は白石和彌監督最新作「孤狼の血」を観てきた。ロクヨンならぬロクサン、昭和63年広島を舞台にヤクザ抗争と対峙する刑事の姿を描く。白石監督の「日本で一番悪い奴ら」がお気に入りで今回も早々に観賞。主演に役所広司を迎え、まさに最初から最後まで役所劇場であった。

昭和63年広島県呉原。加古村組と尾谷組の間で抗争状態にあった。呉原東署の大上は抗争の狭間、両者に接触しつつある失踪者の情報を掴んだ。捜査する大上の法外な言動に対し、強い抵抗を感じる日岡。だが大上と組む日岡には隠された目的があった。それこそ大上の内偵を進める事。日岡は大上に近づき、捜査を進めるのだった。

実録路線の東映ヤクザ映画の系譜を踏みつつ、白石監督らしい群像劇。30年前にトリップし暑苦しく汗臭い、そしてクソまみれとフィルムを通して伝わる。どのキャラも生き生きしていて、伏線も巧みに絡ませ端役まで目が離せない。

主演の役所広司はダイワマン、陸王と善人ぶりが目立つが、本作ではあくまでヒール。エログロと濃いキャラを楽しんで演じているように見える。相棒となる松坂桃李は対照的に昭和カラーの中でただ一人平成っ子っぽいが、何ともいい顔でエンディングを迎える。そして「孤狼の血」というタイトルの意味も見えてくる。特に日岡が自ら書いた内偵資料を直視させられるシーンがいい。

老練の域であるラスボス石橋蓮司の存在感、大上が名前を絶叫するたびに「これ確信犯だろ」と思う一之瀬を演じる江口洋介の役回り。これまた珍しい竹之内豊の悪役。陸王と違った真珠野郎こと「TEAM NACS」音尾琢真の存在感(本作のMVP)。また白石監督作常連のピエール瀧、中村獅童らも強烈で短いシーンながら見逃せない。

東映らしい熱ーい男たちの邦画をお求めの貴兄には堪えられない作品。ぜひ劇場でその熱さを感じて欲しい。

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2018/05/05

「ウエストワールド」シーズン1を観る

テレビシリーズ「ウエストワールド」シーズン1を観た。オリジナルはマイケル・クライトンの原作映画「ウエストワールド」。幼き頃に「ゴールデン洋画劇場」で観たが、ユル・ブリンナー演じるロボットガンマンと、メカが露出する口パッカーンがトラウマになる程に衝撃的だった。なおクライトンのSF作品に共通するのはテクノロジーの進化と警鐘がテーマだが、最後はパニック映画になってしまうというオチ。

だが今回のテレビシリーズ「ウエストワールド」はそんな世界観も、フィリップ・K・ディックのような深遠なるアレンジが加えられている。これも製作のジョナサン・ノーランによる面が大きい。

ジョナサンは映画監督クリストファー・ノーランの実弟であり、これまで脚本家として参画してきた。傑作「ダークナイト」もジョナサンによるもの。単に内面を描くだけでなく、訴えかけるように響くのだ。

それがディック作品以降のAI、ロボットの深化。本作ではホストと呼ばれるロボットたち。ドロレス、メーヴの2体を中心に、自我とその様々な可能性を描いていく。ただ一度見通しただけではテーマを理解するのは難しい。

この世界を作ったフォード博士。その含蓄ある言葉は謎と共に想像力を掻き立てる。彼を演じるのがあのアンソニー・ホプキンス。キャスト、ビジュアル、製作費共々、ハリウッド大作級だ。そして90分に及ぶ最終話、フォードの「ウエストワールド」への仕掛けが始まる...という所でシーズン1は終了した。

ただシーズン1は単なる謎掛けでなく、大きなミステリーが組み込まれている。それはエド・ハリス演じる黒服の男の存在。ドロレス、別の来客者たちとの関係に加え、彼の探す迷路とは。それが最終話に向けて明かされていく。時系列を意識せず観ていたので、インパクトある展開だった。

個人的には何処かで見た事あると思いきや、「X-MEN」のグラサン野郎「サイクロプス」のジェームズ・マースデンがメインキャストで出演していた。彼だけでなく「007」シリーズのジェフリー・ライト、「MI:2」のサンディー・ニュートン等、キャスティングも豪華。

SF感満載な作品で子供に見せたいと思いきや、全裸とキワドイ描写が満載。当然、Amazonプライムではパスワード必須。子供の起きている時間で見られなかった。でも面白い。早くシーズン2が見たい。

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2018/05/04

「I AM YOUR FATHER/アイ・アム・ユア・ファーザー」を観る

WOWOWで録ってあった「I AM YOUR FATHER/アイ・アム・ユア・ファーザー」を観た。今日は何と「スター・ウォーズの日」。これはホント、無意識に朝から観始めてた。

映画界屈指の悪役ダース・ベイダー。製作当時、キャスティングで白羽の矢が立ったのが、2メートルの長身である俳優デヴィッド・プラウズだった。彼はスクリーンでその存在感を存分に発揮、映画は大ヒットする。だが反面、様々な障害に会い「ジェダイの帰還」のクライマックス撮影を迎えた。そして上映された作品で彼は始めて"ある事実"を知る事になる。本作は彼の半生を追ったドキュメンタリー。

ダース・ベイダーは声をジェームズ・アール・ジョーンズ、スーツアクターとしてデヴィッドが演じたというのがこれまでのファンの認識。だが本作を観てその考えを改めたい。彼の経歴、あらためて「スター・ウォーズ」の各シーン、特に「帝国の逆襲」でルークに手を差し出す姿は、彼無くしては成り立たないと思わせる。

長身と重量挙げで得た体格を活かし、ハマー・フィルムのホラー作品でキャリアが始まったデヴィッド。彼の努力、「帝国の逆襲」まで彼なりに現場を楽しんでいた事も伝わる。そして「ジェダイの帰還」。監督との確執、そしてクライマックスでの交代、あるリーク記事の出元として犯人扱いされ、同作公開後にルーカスと袂を分かつ事に。

「ジェダイの帰還」公開から30年以上。2010年にはルーカスフィルムから公式イベントへの出入り禁止となる。だがその背景に本作はメスを入れる。リーク記事の新聞記者を取材、潔白が証明されるが、当時のプロデューサーは「そういう可能性もある」とひと言だけと呆気ない。

デヴィッドは自身の知名度を活かし、交通安全活動などに貢献。小規模のイベントに現れ、ファンと交流する姿。欲のない人だと伝わる。もしそうでなければ、弁護士を立ててルーカスフィルムを訴えるだろう。

このドキュメンタリーの制作者はデヴィッドに「あなたでクライマックスの撮り直しをしないか」と持ちかける。彼は受諾するも、ルーカスフィルムはデヴィッドとダース・ベイダーを同じ場面に撮る事を許さなかった。そこで彼らはあくまで個人上映会としてあのシーンを撮影する事になる。そして80歳を超えたデヴィッドが見たものは。ルーカスフィルムが許諾しない以上、その表情から判断するしかない。

プロデューサーの言う通りに撮影当時、デヴィッドがアナキンとして顔を現すのに年齢不相応ではと思う点は否めない。ただルーカス側がダース・ベイダーを他のキャラクター以上に占有、固執している事が判る。だがサーガ3部作を通しベイダーを演じたデヴィッドの功績は忘れてはいけない。

ディズニー傘下となったルーカスフィルムはよりビジネスライク。関係が改善される余地はないだろう。でもこのドキュメンタリーの中身は一つの事実。その点で興味深い。

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2018/05/01

「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」を観る

今日は映画の日。仕事帰りに「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」を観てきた。MCU最新作にして衝撃作。何とも言えぬ感慨と共に帰途につく。

集めると生命の半分を滅ぼす6つのインフィニティ・ストーン。宇宙最強のサノスは残り2つのストーンを探すため、地球に使者をさし向けた。まもなくニューヨークに巨大宇宙船が飛来。トニー・スタークとドクター・ストレンジらは彼らに立ち向かうのだった。

「シビル・ウォー」で分裂したアベンジャーズがサノスを倒すため再び共闘する。そして「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」が参戦。サノスとの関係性を含め、世界観の一翼を担う。本作「インフィニティ・ウォー」の前に観ておいて正解だった。

全体的に肉弾戦の「ウインターソルジャー」や「シビル・ウォー」と違い、宇宙生物との戦いなのでどうしてもCG絵巻になってしまうが、コッテリ系のDCに比べればあっさりしている。MCUなりに一貫した世界観の下、スーパーヒーローたちが宇宙と地上で火花を散らす。実はこの”一貫した”点が大事で、ごった煮カオスの「レディ・プレイヤー1」に欠けたものだった。だからアベンジャーズらしい最後まで魅せどころのオンパレード。

見どころはスーパーヴィランであるサノス。単なる悪役に非ず。主役は彼だ。全編を通して話の中心にあり、犠牲を払ってまで野望を果たそうとする彼の目的、達成した時の表情。話の流れの作り方といい、最後は監督であるロッソ兄弟のストーリーテリングぶりに圧倒された。終らせ方でいえば、あのSFシリーズのあの話の衝撃に匹敵する。たぶん映画ファンなら同じ思いだろう。

ちなみに「ブラックパンサー」を"ワカンダの超科学技術はトニー・スタークを不要にさせる程”と評したが、そうでないと今回、サノス軍とのがっぷり四つの戦いにならなかった。という事で許す!

傑作「シビル・ウォー」に勝るとも劣らない本作。MCUのファンなら必見、観て損はなし。次作への伏線は本作でもあった気がするが、この風呂敷、どのように畳むか?ロッソ兄弟。とにかく早く次作が観たい。

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2018/04/30

「天皇賞・春」を観る

久しぶりの競馬話。今年は急な異動で頭が回らず、全く競馬は当たっていない。そんな中、昨日はG1「天皇賞・春」が京都競馬場で行われた。実家で子供と五月人形を出す合間のテレビ観戦。

まず思ったのは開幕2週目京都の高速馬場への対応。あのオルフェーヴルでさえ対応できなかった。だがその頃と異なり、JRAの競馬場はエアレーションが行われており、パンパンの高速馬場では無くなった。中距離でスローとなれば上がり33秒前半決着となるが、春の天皇賞は芝3200メートルの長距離戦。スピードだけでなく、そこそこのスタミナは問われる事になる。

そこで白羽の矢を立てたのがレインボーラインだった。目立つ長距離戦実績。これまでは渋った馬場での活躍が目立った馬。そしてステイゴールド産駒である。ただこの日の午前、ステイゴールド産駒は芝の3歳未勝利、長距離戦で1、2着独占していた。

そんなレインボーラインの鞍上は岩田康誠。4年前、本ブログで彼の騎乗に疑問を投げ掛けた事がある。フェアプレーと言い難い、インターフェアギリギリの騎乗は他の騎手に危険をもたらすからだ。そして被害を受けた後藤騎手は2度目の復帰後、突然の出来事で帰らぬ人となった。

岩田騎手は2014年以前と2015年以降で大きな変化が訪れる。これまで手厚いサポートだった社台系の馬質が変わったのだ。2014年以前は2割近い勝率が、2015年以降は7%と1割を大きく下回っていた。2015年とはデムーロ、ルメールのJRA騎手免許通年取得と重なる。エージェント制のマイナス面と相まって有力馬が集まらなくなった。

もちろん先の出来事がメンタル面で影を落とす事もあったろう。アグレッシブな騎乗も影を潜めた。

そして今回の天皇賞・春。岩田とレインボーラインはスローな流れを後方待機。2周目の向こう正面、有力馬が動く中で折り合いに専念し、勝負どころを待つ。溜めた脚は直線に入って爆発。岩田の手綱でシュヴァルグラン、クリンチャーの内をすくう事で出し抜けを喰らわし、並ぶことなく差し切った。これは明らかに岩田のファインプレイだ。おかげで馬券は的中した。

だが緊張が訪れる。岩田が下馬したのだ。下馬した後のレインボーラインの歩様もおかしい。最悪の結果も想定されたが、のちに「右前肢ハ行」と発表された。

岩田の勝利騎手インタビューは神妙だった。勝った嬉しさより、明らかに愛馬への心配が感じ取られた。これまで岩田から受ける印象は単純だがストイック。だがそれ故に無謀とも思える騎乗が目立った。しかし先の出来事が彼の競馬観を変えたのは事実。じっと噛み締める岩田の気持ちが伝わってきた。

賛否ある岩田の騎乗だが、ここ一番の勝負強さは随一。デムーロ、ルメールに加え一流外国人騎手の活躍ばかり目立つ中、日本人騎手の一人として頑張ってもらいたい。

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2018/04/29

ついに「24 -TWENTY FOUR-」を観終わる

ついに「24 -TWENTY FOUR-」を観終わった。観始めたのはアナログCS放送、FOXチャンネルで2004年10月。だがSeason2を観終えた2005年を最後に頓挫する。再開したのは去年秋。一番大きかったのはFireTV StickとAmazonプライムの存在。ディスクを借りる、入れ替えるのだけでも負担。観続ける中でTV、PC、タブレットとデバイスを問わないのも大きい。

なお全24話を8シーズン、Season6と7の間を取り持つ2時間完結が1話、そして全12話の「リブ・アナザー・デイ」で完結。最新シリーズ「レガシー」もあるが、ジャックは出ないしAmazonでは課金対象なので観ていない。

Season1の頃の評を読むと「主人公のキーファー・サザーランドは地味」「魅力的なキャラクターは皆無」と断じていて恥ずかしい。そして全シーズン完走してみると、キーファー演じるジャック・バウアーの救われない主人公への感情移入が強い事に気づく。「関わる者は皆不幸になる」と言われ、シーズンを進めるたびに身近な人が死んでいく。「24 -TWENTY FOUR-」は世界的テロを題材にスケールは大きいが、実はジャックを中心とした極めてパーソナルな物語だったのである。

ジャックを中心にアルメイダ、クロエ、歴代のCTU支局長と発生するテロ事件。基本的にCTU内部のスパイが問題を大きくさせる事や、ジャックの決め台詞「クソーっ」とお約束もあるが、毎シーズン最終第24話に向けてどのように展開していくかが楽しみだった。

個人的に一番嬉しかったシーンはたぶんSeason4だと思うが、絶体絶命のジャックにCTUを辞めたアルメイダが颯爽と助けに来るところ。心の中で「待ってました」と呟いたよ。その後、アルメイダとの因縁は悲しい形で結んでいくのだけど、彼の存在は忘れる事はできない。

もう一人のキーマン(ウーマン)は言うまでもなくクロエだ。Season8、9のラストでのジャックとのやり取りは心に響く。ジャックにとってどれだけ心強く、修羅場をくぐり抜ける力となったか。フューチャーフォン、PDA、スマホとデバイスは変遷、最先端の情報戦での彼女は、そっけない対応に反し個性的で光っていた。

もちろんパーマー大統領や最も頼りになった支局長ブキャナンの存在も捨て難い。テレビシリーズに不可欠な吹き替え陣も秀逸。それに気になったキャラは挙げていけばキリがない。そして本作の最悪役賞はやはりチャールズ・ローガンだろう。気弱な大統領がやがてジャックの脅威となる。最後の最後まで嫌な奴だった。それだけ演者のグレゴリー・イッツェンが秀逸だったという事だけど。

ジョジョと共に朝から「24 -TWENTY FOUR-」な毎日だったが、これで終わり。でも忘れた頃にまた観出すんだろうなぁと。

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2018/04/20

「レディ・プレイヤー1」を観る

今夜はスティーヴン・スピルバーグ監督最新作「レディ・プレイヤー1」を観てきた。原作者アーネスト・クラインが共同脚本を手掛け、ポップカルチャーとVRワールドを最新VFXで描く。

2045年、オアシスと呼ばれる巨大VRワールドが席巻。オアシスの開発者ハリデーは3つの試煉を勝ち抜いた者に自らの遺産を授けるとしていた。だが未だ一つ目の鍵を手に入れた者はいない。そんな中、一人狼のウェイドはアルテミスというアバターと出会う。そしてウェイドは第一の鍵攻略のキッカケを掴むのだった。

世界観に関する期待に対し、実際に観た感想は微妙。意図的に現実世界との差を出そうとしているのか。登場するアバターの質感はまるで映画版「ファイナルファンタジー」。特撮にアニメのオールスター、どんなにカオスな世界観が繰り出されても、没入できない自分がいる。

その理由。PPGにしろ、FPSにしろ、この手のゲームってものに興味がないからだ。PS2時代、そんな自分を克服しようとドラクエやFFを買った事があるが、序盤でサジを投げている。元々謎解きが苦手。テレビゲームならシンプルなルーティンを繰り返す、ファミスタやダビスタの方がいい。

閑話休題。他に何がダメだったかといえば、VRでのカオスな部分が噛み合わないところ。元の世界観の違う同士のコラボの難しさ。例えばクライマックスでの総力戦。物量と描写で圧倒しようにも、カオスによる化学反応が起きてくれない。だから醒めてしまう。敵ボスが無双する中、日本人として大きな見せ場は訪れるのだが、期待は予告編を超えなかった。

音楽も80’sポップスを扱うが、効果は小さい。アラン・シルベストリのスコアもBTTFのアレンジは聴きどころだが、そこだけ。映像のカオスが噛み合わない理由に、コラボするスコアのアレンジに問題がある(そんなシーンも少なかったし)。こういう時は中途半端にアレンジで無くオリジナルスコアを使うべき。個人的には金田のバイクを出すなら、そのシーンだけでも芸能山城組で観たかった。

ちなみに描かれるポップカルチャーは年齢的にジャスト。セリフに出てくる、コアな映画ファンしか知らないであろう、バカルー・バンザイやビル&テッドも観ている。だがジャストミートしない。小説なら読み手の想像力で補えるが、この映画では主人公(アバター)の醸す熱さの無さと相まって心に伝わらず。

冒険というスピルバーグ亭の暖簾も今では通用しない。映画の小ネタもあり、飽きはしなかったが、最後まで興味を取り戻す事はなかった。原作はよりオタク度の高いカオスと聞く。それにどうせシルベストリの音楽なら監督がゼメキスだったらという思うが如何なものか...面白ければ次はIMAXと期待していたが、その必要はなくなった。

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2018/04/09

「ジョジョの奇妙な冒険(テレビアニメ版)」を観る

今年の1月からアニマックスで始まった「ジョジョの奇妙な冒険(テレビアニメ版)」を観終えた。ウイークデイの23時台2話ずつ放送のため、翌朝1話、仕事から帰って1話を観るスタイル。まさに朝ジョジョ、夜ジョジョである。この3ヶ月間、第1部と第2部、第3部「スターダストクルセイダース」、そして第4部「ダイヤモンドは砕けない」まで楽しんだ。

原作は未読。週刊少年ジャンプを卒業した頃、間も無く「ジョジョ」の連載が始まった。ちなみに何故「ジャンプ」を読むのを辞めたかといえば、「ついでにとんちんかん」連載と重なる。ファンの方には申し訳ないが、あまりにバカバカし過ぎて読むに値しないと思ってしまった。それをきっかけに好きな連載は残っていたけど、ピタッと止めた。

だから作者の荒木飛呂彦といえば「ジョジョ」以前の「魔少年ビーティー」「バオー来訪者」なんです。「ジョジョ」を観終えるとその作風に共通性を感じる。特に第4部は「魔少年ビーティー」に似ているかなぁと。

長きに渡る物語。各部でジョースター一族で愛称ジョジョの主人公を立て、キャラに沿ったテイストで物語が進む。シリアスな第1部、ユーモアを交えた第2部、一族宿敵DIOとの決着を迎える第3部、大きな転換を図った第4部とそれぞれに惹き込まれた。

特にお気に入りはスタンドバトルを採り入れた「スターダストクルセイダース」でしょう。これでもかの絶望感と繰り出す知恵、頭脳戦での激突。それはシリーズ全体に一貫しているが、そのピークは第3部が一番。第1部、第2部の波紋バトルは「北斗の拳」ではあるが、伝奇的要素でジョジョワールドを確立させた。また第2部でのジョセフの破天荒さはその後の作風を決定付けている。

原作未読とも、同じ時代を生きた者として、洋楽アーティストを扱ったネーミングに目がいく。バニラ・アイスは「オースティン・パワーズ」でギャグにされていたけど、名前のインパクトはNo.1。テレンス・トレント・ダービーはマニアックだけどCD持ってる。そして「ダイヤモンドは砕けない」のラスボスは「キラー・クイーン」ですからね。

同じくテレビアニメ版の楽しみとして、エンディングテーマが洋楽である事。中でも第1部、2部で使われたプログレ、YESの「Roundabout」がバック映像と相まってカッコイイ。「スターダストクルセイダース」でのバングルス「 walking on an egyptian」はまさに天命。エジプト編でパット・メセニー使うあたりは泣ける。ちなみに第4部でのSavage Gardenの頃は洋楽卒業していたので耳馴染みではあるが、あまり思い入れは無く。

今も続く原作に対し、第5部のアニメ化の噂が伝えられるが、続きが見たい。先にKindleで原作読んでもいいかも?。とにかくジョジョ漬けだった3ヶ月は本当に楽しかった。

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