2019/04/18

「天才作家の妻 -40年目の真実-」を観る

今日はグレン・クローズ主演「天才作家の妻 -40年目の真実-」を観てきた。まるで邦題はアンビリバボーかワイドショーみたいで大袈裟だが、原題は「The Wife」とシンプル。物語もこの邦題で知れてしまう程だけど。

ある朝、作家のジョセフ、妻のジョーンの下に朗報が訪れる。それこそノーベル文学賞受賞の報であった。息子と共にストックホルムの授賞式へ向かった二人。歓迎を受け満悦のジョセフに近づく記者のナサニエル。そしてナサニエルは連れ出したジョーンにある話を始める。

夫婦の絆という普遍のテーマ。3年前に観た「さざなみ」を想起させるが、あちらに比べるとやや表現が稚拙かなと。特にラストに至る流れは言葉と感情のぶつかり合いになってしまい、演技的には面白いが直接的過ぎる。ただグレン・クローズ、ジョナサン・プライスの演技が悪いという事ではない。特にグレン・クローズはオスカー候補の常連たる貫禄に溢れていた。

ナサニエルの胡散臭さ、演じるクリスチャン・スレーターは「インタビュー・ウィズ・バンパイア」の役柄を彷彿とさせる。ただベテランの彼もグレン・クローズの前ではまだまだ若い。

現在の彼らと若き日を演じる若い俳優二人の演技が違和感無くシームレスで良かった。そこに生まれる伏線がこの作品の見どころとなる。ただどの時代であっても二人のやり取り、セリフの数々でノーベル文学賞受賞に見合った語彙を感じなかった。字幕のせい?原語だったら相応なのか?そのせいか集中力を欠き中盤までがキツかった。

本作は物語の驚きよりも、夫婦という問題提起が強い。観客も年齢層の高い女性グループが多かった。夫婦の危機を知らない若いカップル向きの作品ではない。女性の洞察力は男子の想像を遥かに超える。我々男子にとってはジョセフの姿を反面教師として捉えたほうが良いだろう。

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シリーズ 平成を振り返る(おかわり:忘れてた事とか)

まさに平和だった年、平成から令和へバトンタッチまで半月足らず。三度に渡って書いてきたが、書き忘れていた事が結構あった。

まず競馬。大小牧場、オーナーブリーダー等、多種多様な活躍馬の時代から、今や社台グループ。殊更社台ノーザン系
の勝ち馬が台頭。バブル以降の資金力から種牡馬サンデーサイレンスで一気に制圧された。

もちろんサンデーのポテンシャルあってのものだが、スローペース中心のレースが増え、瞬発力勝負が現代の日本競馬。主要クラブ馬主もノーザン系に鞍替えしてしまった。ただそんなサンデーも血統の袋小路。それでも社台はキングカメハメハ(=キングマンボ)を擁する強さがある。

調教技術の変化も大きい。鍛えて最強馬を作る、坂路にウッドチップコース、プール。一年間休んだトウカイテイオーが有馬記念を制した事は記憶に残る。しかし平成最大の変化は外厩制度だろう。しかも大手ブリーダーが本格的に参入。先のノーザン系と相まって、しがらきに天栄知らずに馬券は取れない。調教師と牧場(オーナー)間の主導権、関係性まで変えてしまった。

平成最後の名馬アーモンドアイ、サートゥルナーリアとその申し子が結果を出している。ただ有力ジョッキー(短期免許の外国人騎手、更に通年免許まで、これも平成で重要な出来事)の使い分けから、有力馬のローテーションまで変わってしまった。
平成当初からの牧場間が切磋琢磨していた頃が本当に懐かしい。


そして映画。平成ベスト10を挙げたが、その後忘れてた作品を思い出した。

フランク・ダラボン監督の「ショーシャンクの空に」は最右翼。貶められた主人公とそのラストシーンのコントラスト。刑務所のリタ・ヘイワース、名シーンも頭に浮かぶ。スティーブン・キング原作の中でも映画化でも大成功の部類。おかげで「グリーン・マイル」は先に原作本を読んで楽しんだほど。

それとクリント・イーストウッド監督、主演作品を一作も挙げなかった事。「15時17分、パリ行き」は(悪い意味で)ヤラレタ感が強いが、それ以外は傑作が多い。むしろ一作に絞れない。「ミリオンダラー・ベイビー」「グラン・トリノ」に硫黄島二部作。そして最新作の「運び屋」には(いい意味)でヤラレタ。

平成の間、地元の映画館はシネコン系に制圧され、そのほとんどが撤退を余儀なくされた。「エイリアン2」や「ダイハード」を観た映画館はさら地になっている。シネコンの最高の鑑賞環境は有り難いが、場末の映画館の雰囲気も捨て難かった。解体前「キルビル」の後編を観たが、それこそタランティーノが求めていたタッチそのもの。ラストシーンにエンドロールが最高だった。

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2019/04/17

「ハンターキラー 潜航せよ」を観る

今夜はジェラルド・バトラー主演の「ハンターキラー 潜航せよ」を観てきた。本作はクチコミの評判だけで敢えて何も情報を入れずに鑑賞。こんなギャンブルは「ハードコア」(洋画の方)以来。ちなみにオスカー俳優ゲイリー・オールドマンも登場(鑑賞まで知らなかった)するが、あくまでジェラルドが中心だし製作に名を連ねる力の入れよう。

ロシア海域でロシア原子力潜水艦とこれを追尾していた米国原潜が同時撃沈された。両艦交戦による撃沈なのか、米ロは一触即発の危機。米国は捜索のために攻撃型原潜(=ハンターキラー)アーカンソーを向かわせる。現場に辿り着いた艦長ジョー・グラスは海底に横たわるロシア原潜にある疑問を持つ。だがその時、彼らに近づく影があった。

ジェラルド・バトラーといえば、映画「300」の「ディス イズ スパルタ」でお馴染みだが、近作ではどちらかといえばB級臭の強い俳優さん。加えて本作は現場海域へ着くまでが潜水艦映画の王道的な展開。やはりB級。ありきたりな作品かと諦めかけた中盤、物語が大きく動く。特にクライマックスでのカタルシスはあの傑作「レッド・オクトーバーを追え!」を想起させる。

本作が単なる潜水艦映画に非ずと言えるのは、並行する物語にある。これ以上は語らず。そこが巧く効いて、中盤以降のスリリングな展開を演出している。グラスを始め、任務を遂行していく彼らに感情移入は必至。観る側をこれだけの気持にさせるだけで大成功だろう。

なお本作のロシア人艦長を観ていてある人物が浮かんだ。ハリウッド・ザ・コシショウ似なのだ。演じたスウェーデン人俳優ミカエル・ニクヴィストが完成後に亡くなった事が残念。彼の存在感も重要で作品を支えていた。

期待値を上げずに観たおかげで得した気分。是非、本作を観るにあたってそんな心構えで臨むべし。あとタイトルの語呂が「シャークハンター必殺隊」に何となく似ているなぁ。今の若い人は知らないかー。

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2019/04/12

「バイス」を観る

今日はクリスチャン・ベール主演の「バイス」を観てきた。今年のアカデミー主演男優賞にノミネートされたが惜しくも逃した。しかしディック・チェイニーを特殊メイクとデニーロアプローチで体重増して見事に演じ切った本作。タイトル通りなかなか毒の入った伝記、(出来るだけ事実に近づけた)創作フィクションとなっている。

2001年9月11日、同時多発テロに見舞われたアメリカ。だが事態を指揮するは副大統領のチェイニー。一元的執政府論の解釈の下、現政権を作り上げてきた。テロを発端に政治主導で主犯格に近づいていく。しかしそれこそ影の大統領、チェイニーの独善たる政治手腕が作り上げたものだった。

この映画、情報量が凄まじく、近代アメリカ政治を知っていれば、多くの登場人物たちと共により楽しめる。「俺たち」シリーズを手掛けたアダム・マッケイ監督。伝記ではあるが、ある意味コメディーとして演出。そして事の顛末はご存知の部分もあるだろうが、その代償は子ブッシュ共々アメリカの闇となっている。

子ブッシュ政権下のチェイニー副大統領を知る上で妻リン、そしてラムズフェルドの存在は欠かせない。アル中のダメ男が妻から得た自信、ラムズフェルドの手腕から学び、世界No.1国家の中心で成り上がっていく。リン役のエイミー・アダムスは貫禄の演技。またスティーヴ・カレル演じるラムズフェルドが激似。嫌なヤツぶりまで似て感心させられる。

そして
子ブッシュの馬鹿っぷり。当時からブッシュ本人は色々と揶揄されたが、演じるサム・ロックウェルのなりきりっぷりもいい。それだけでなくパウエル、ライスとブッシュ政権の面々が再現映像と共に登場。9.11後の緊迫した事態に直面していく。

狂言回し、ストーリーテラーの顛末に唖然。クセある面々に感情移入しなくとも、とにかく本作には惹きつける力がある。2時間13分の長編だが、最後まで見入ってしまった。ただ明らかに共和党嫌いなハリウッドらしい作品で観る人を選ぶかもしれない。でもこの作品を観て知ったかぶるのもアリだろう。

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2019/04/04

シリーズ 平成を振り返る(その3:平成映画ベスト10とか)

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新年号が令和と決まり、平成は残す所一ヶ月あまりとなった。「シリーズ 平成を振り返る」その3では平成に公開された映画ベスト10を挙げつつ、回顧してみたい。

平成の映画公開作(西暦1989年1月から2019年4月による)といっても、その数知れず。約30年分調べていくのも面倒。そこで好きな映画を10作挙げてから公開年を調べ、それが平成だったら残していく方法を採った。指標は何度観たか、ソフトを買ったとか、印象度等など。10年前、所帯を持つ前は実家のホームシアターで浴びるように映画を観ていた。でも今は劇場鑑賞が主。そうした環境の変化の影響、加えて漏れがあるかもしれないけどもね。

平成映画ベスト10(カッコ内は平成数えの日本公開年)
1.「ターミネーター2」(平成3年)
2.「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」(平成元年)
3.「トータル・リコール」(平成2年)
4.「羊たちの沈黙」(平成3年)
5.セブン」(平成8年)
6.「パルプ・フィクション(平成6年)
7.「キッズ・リターン」(平成8年)
8.「セッション」(平成27年)
9.「アベンジャーズ」(平成24年)
10.「007 トゥモロー・ネバー・ダイ」(平成10年)

1.「ターミネーター2」(平成3年)
平成最初、映像革命の一作。実際は同じキャメロン監督作「アビス」あっての作品だが、とにかく映像と音楽にストーリー、そしてアクションの融合、バランスが素晴らしい。しかも前作の優れたパロディー作となっている。今観ても全く色褪せる事なし。それぞれのアクションシークエンスを何度観た事か。LD、DVDにリマスターと所有、だが金欠の今ではさすがにblu-rayを持っていない。

2.「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」(平成元年)
最近のスピルバーグにはガッカリさせられるが、この頃は最も脂ののった頃。シリーズの頂点はもちろん「レイダース」でも昭和映画。だが「最後の聖戦」も負けず劣らず。しかもユーモアに加え、親子愛に満ちている。007を撮りたかったスピルバーグがショーン・コネリーを本作に迎えた。アジトに飛行船脱出、クライマックスの戦車での攻防と何処を切っても見どころ。ジョン・ウイリアムズとの音楽のシンクロ度が凄い。

3.「トータル・リコール」(平成2年)
今やメジャーとなったP.K.ディック作品の先駆け。一見筋肉バカな作品だが、漂うインテリジェンスはディック原作、そしてシュワ主演だから。レトロフューチャーな世界観がロケ地ブラジルとよく似合う。圧巻は偽妻、そして追っ手からの逃亡。御大ジェリー・ゴールドスミスのスコア「Clever Girl」が重なり、エスカレーターで地獄絵図が展開される。昔は「日曜洋画劇場」で観られたが、今は難しいかな。このシーンでご飯10杯はいける。

4.
「羊たちの沈黙」(平成3年)
平成猟奇サスペンスの最高峰でアカデミー賞作品賞を受賞。今や悪役五指に入るキャラクター、レクター博士を生み出した。プロファイリングと心理的攻防、顔芸に陥らない演技のぶつかり合い。美しいクラリス、一見高宗だが凶暴なレクターの檻を介したやり取りに惹き込まれる。レクター脱出前、指の愛撫はジョナサン・デミ演出の真骨頂。クラシックなオケ、ハワード・ショアのスコアが時に残酷、だがとても美しい。

5.
セブン」(平成8年)
平成猟奇サスペンス、もう一つの最高峰。デヴィッド・フィンチャー監督2作目にして最高傑作。アンドリュー・ケヴィン・ウォーカー脚本、キリストの七つの大罪をモチーフに連続猟奇殺人、七日間の攻防を描く。その末路に唖然とさせられつつも魅了された。エンドロール、デビッド・ボウイ「The Hearts Filthy Lesson」が堪らない。そしてもう一つ、バッハの「Air」の使いどころがツボ。これ程に美しさと残酷性が同居した作品を知らない。

6.「パルプ・フィクション(平成6年)
世界に平成の世が通じるならタランティーノこそ申し子。カンヌ映画祭パルムドール受賞。タイトルを地でいったストーリーに構成の妙で魅せる。彼の好きなキャスティング、好きな音楽に世界観、セリフは冒頭からテンポよくタランティーノ節に溢れる。意味があるようでないようで、その際たるマック、チーズロワイアルのくだりは大いに笑わせる。粋なラストシーンに流れる「Surf Rider」がカッコいい。

7.「キッズ・リターン」(
平成8年)
平成は北野映画の年でもある。そんな中でも「キッズ・リターン」を選びたい。青春ものだが北野作品らしいバイオレンス。でも特筆はたけし自身が出演していない事。あの事故の直後だからかもしれないがそれがいい。たけしが演じそうな役となるモロ師岡。本作以後、大ブレイクした。久石譲の無機質も温かみを感じるスコアにボクシングのパンチ音が心地いい。これも見どころ。絶望とも希望とも取れるラストカットが秀逸だ。

8.「セッション」(平成27年)
ここ数年、屈指の傑作。ビデオで見たら単なるパワハラだが、天才デミアン・チャゼルの作品は劇場鑑賞こそ真骨頂。これ程圧倒された作品はない。がっぷり四つ、ニーマンとフレッチャーの攻防。本作でオスカー受賞、J.K.シモンズの演技が凄い。もちろん本作の命は音楽。タイトル曲でもある「Whiplash」にラスト10分を虜にする「Caravan」のステージ。何度観直した事か。そしてこのサントラ何度聴いた事か。

9.「アベンジャーズ」(平成24年)
今年10周年を迎えたMCU、そのフェーズ1の集大成として公開された。今や映画興行的にMCUの存在は無視できないだろう。一見かつての東映まんがまつり内のコラボ作みたいだが、大人も楽しめる懐の広さはマーベルらしい。単独作で描かれた伏線が大舞台で繰り出される。キャップ、アイアンマンの2トップにその集大成らしくタレントも豊富。中でもソーの弟ロキが出色。最新作「エンドゲーム」が今から楽しみ。

10.「007 トゥモロー・ネバー・ダイ」(平成10年)
物語はお決まりで悪者と世界の危機と二流だが、平成公開のクラシック・ボンドの中で一番。ガジェット、アクション、そして音楽。ジョン・バリー節の後継者としてデヴィッド・アーノルドが就任、とにかく効かせる、いや聴かせる。オープニングの「White Knight」、無線操作するボンドカーでのアクション「Backseat driver」は映像とのシンクロ度が高く見どころで気持ちいい。彼にはボンド最新作で是非復帰して欲しい。

今回のセレクションで重要だったのが、サントラ。実は「アベンジャーズ」以外は全て買って持っている。好きな映画にサントラでの追体験は欠かせない。そう考えると「AKIRA」なんかもそうだが、でもあれは昭和最後の公開だったりする。結局、時代や年号を超える作品こそが名作。これからもこれらに負けない名作に出会えますように。

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2019/03/28

シリーズ 平成を振り返る(その2:競馬とか)

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「競馬?」30年前の自分が思っても無かった事だろう。あれだけギャンブルを毛嫌いしていたなのに、ライブで競馬を観た瞬間から今も続けているとは。初めて行ったその日はやられ、次の週には万馬券的中で心を射抜かれていた。平成の競馬は我が競馬史と同義と言っていい。

競馬の見識は別冊宝島の競馬読本シリーズを始め、様々な本で深めていった。ただ競馬は知れば知るほど、馬券を当てるのが難しい。競馬もG1週となると新聞やネットに真偽情報が入り乱れ、さらに天気予報よりも無責任な競馬予想が巷に溢れている。

競馬を始めた頃「競馬最強の法則」に連載されていたのが、西田式スピード指数だった。論理的だがシンプル。黎明期のJRA-VAN、専用ソフトN-SPICE(MS-DOS!)の組み合わせ。25年前、AJC杯の馬連を手厚く当てた事が忘れられない。のちにペース、先行、上がり指数と多視点でレースを予想する事が出来るようになった。今も西田式スピード指数は重要な予想アイテムだ。

昨年秋、武豊騎手の展示を見た時、彼の足跡は同時に、我が競馬歴そのものだと思った。世代三強の一角となるナリタタイシンやスペシャルウイーク、最強牝馬ウオッカ、そして復活のキズナ。これらに限らず、数々の名馬とコンビを組み名レースを演出してきた。中でもディープインパクトが無敗三冠達成、これを京都で生観戦した事は忘れられない。

その6年後、極悪馬場のダービーを圧勝するオルフェーヴルが登場。三冠はもちろん、そのパフォーマンスに凱旋門賞優勝を夢想するも、現実は2年連続の2着。ただ史上最強馬と言われれば間違いなくオルフェーヴルを挙げる。逸走し2着となった阪神大賞典も前代未聞。ある意味伝説のレースだろう。

オルフェーヴルの父はステイゴールド。現役時代、好走を続けるもG1未勝利。だがG2時代のドバイシーマクラシックでファンタスティックライトを差し切り、国際G1香港ヴァーズを勝ち有終の美を飾る。そんな血脈がオルフェーヴル、気まぐれゴールドシップ、そして現役世代のエタリオウと個性豊かな馬たちを送り出した。次世代に繋がる血統の面白さも競馬の楽しみ。ステイゴールドはその最たる存在だった。

最後に挙げたいのはトウカイテイオー。競馬を始めたのは彼がダービーを勝った秋。だから春天以降の苦戦にいいイメージが無かった。だがダービー馬。ジャパンカップ勝利、一年ぶりの復活の有馬記念と挫折と栄光の対比は我が琴線に触れた。テイオーは今も特別な存在。社台スタリオンステーションで凛々しく映る彼に見惚れた事が思い出させる。

この他にもサクラミライやツーワエース、アイリッシュダンス、ヤマニンゼファーにセキテイリュウオー、ユキノビジン、マヤノトップガン他語りたい馬たちは山ほどいる。さて平成最後、そして新年号となってどのように競馬が進んでいくか。競馬は奥深い、だから惹かれる。新たなる名馬の誕生に夢を馳せつつ、馬券でもいい思いができるといいけど。

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2019/03/24

「スズキスイフトスポーツ」に乗る

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盟友N氏とスズキスイフトスポーツに試乗してきた。これまで次の車はスポーツカーにしたいと言ってきた。だが本命だったトヨタS-FRが開発中止の憂き目に。そして急浮上したのがスイフトスポーツ。だから昨日「ブラック・クランズマン」を観る前にスズキのディーラーへ行ってきたのだ。天候は雨曇りで冴えなかったが、気持ちは晴れ晴れ。久々にワクワクする時間を過ごした。

試乗はスイフトスポーツのセーフティパッケージ搭載車で6速マニュアル。色はシルバー。早速シートに座る。インテリアはナビ無しで殺風景。 ただインパネは「コイツ、走るぞ」という思いが伝わってくる。小さな事だがイグニスと同様、スピードメーターの切り方、0キロの位置が気に入らない。ホントに小さな事だが。

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シートのホールド感はスポーツ仕様。車内空間はややタイト。エンジンはクラッチとブレーキを踏んだ状態からスタート。久々のマニュアル運転で左足の高さ、置き場に困った。アクセルを踏むとトルク感が伝わってくる。クラッチを戻して試乗をスタートさせた。

試乗コースはディーラー付近の一般道を周遊。試乗時間25分と短く、「ごゆっくりどうぞ」とイグニスやRStの時のように箱根方面へ行く余裕は無かった。

週末で道路は混んでいたためか、2車線のメイン道路でも3速まで上げるのが精一杯。でもクラッチ切ってシフトを上げ、加速するのが楽しい。また軽くアクセルを踏み込んでもトルクがあるためか、アルトワークスの時のようなストレスは無かった。坂道発進も苦にならない。ハンドルの重さも適度で好み。

裏道に入るも前車が遅いので、上げても4速まで。そこでいつものようにコンビニ駐車場で途中下車。ただこの時、ギアがバックに入らず困った。だがそこですかさず盟友N氏のアドバイスが入る。

「外国車はシフトを上につまんでバックに入るよ」

答えはその通り。さすがは沢山の車を乗ってきた盟友N氏。一人ではどうにもならなかっただろう。落ち着いたのでエクステリアやインテリアから気になる点をみていく。

まず気になったのは後席のドアノブの形と位置。今の流行なのか。日産ジュークと同じ感じ。何故、前席と同じデザインにしなかったのか。しかも小さな子供では手が届かない。

トランクはこれまでのスイフト同様に必要最小限。後席の座り心地はまずまず。ただ後席3人乗るにはちとキツイ。ただ全体の見た目といい、それ以外にマイナス点は思い当らなかった。

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再び試乗に戻り、ディーラーへの帰路。トルクが太いので2速発進でもスムーズ。ポンポンとシフトアップしていく(ただシフトストロークは長めかも)。そして長めの2車線直線道路で5速へシフトアップした。何とも言えない加速感。あっという間にディーラーへ着いてしまった。駐車のためバックギアへ入れるも今度はスムーズ。ホント、あっという間に終わった。

さて商談。ソリオと同じディーラーで担当さんが出てきた。こちらの気持ちは買う気満々というより、様子をみているというのが正しい。何せ今年10月に消費税が上がり、かつ自動車税、重量税等も併せて税制も変わる。消費税だけでも5万近く差が出る。担当さんの話も同様、しばらく様子をみるしかないとの結論。何せ今年は選挙イヤー。今度の税制、政治の駆け引きにも使われるだろう。そしてこの手の話は結論が出るまで長そう。秋までは長い。

ちなみに現在の納期は2か月半程という。税制の切り替わり具合で駆け込み需要もあろう。担当さんは善処しますとは言ってくれた。

見積は全方位モニタ、セーフティパッケージ等を付けてザクッと244万。ただ全方位モニタやカーバイザも要らない。細かくみていけば15万位は下がる計算。あとは下取りでどの程度補えるかだ。ちなみに車体価格200万以下でこれだけ楽しめるスポーツカーは他に見当たらない。

結論、次(最後?)の車はスポーツカーにしたい。自分の愛車遍歴はシティターボIIブルドックからスタート。奇しくもFFでターボ車と今回のスイフトスポーツと構成は変わらない。それ自体、我が琴線に触れる。本当はFRとか、4WDへとステップアップも考えたが、予算が伴わない。走りはもちろん、スイフトスポーツのコストパフォーマンスの高さは大きな魅力だ。後は税制の行方と我が家の財務大臣の決断次第といったところだろう。

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2019/03/23

「ブラック・クランズマン」を観る

今日は盟友N氏とスパイク・リー監督作品「ブラック・クランズマン」を観て来た。スパイク・リーといえば黒人をテーマに力強い作品の一方、「インサイド・マン」のような力を抜いた作品もある。今回はその中間を狙ったような作風で70年代を舞台にした実話で今年のアカデミー脚色賞を受賞。

コロラド州、コロラドスプリングズ。ロン・ストールワースは警察官募集に合格、調査係を勤めていた。だが時は公民権運動後、まだ黒人差別の跡が残るアメリカ。街中では弾圧解放を叫ぶ黒人運動家も多くいた。そこで過激な運動を防止するため、ロンは潜入捜査員を指名される。一方、白人至上主義を謳うKKKの活動も激しさを増した。そこでロンはKKKへの接触を試みる。

黒人警官が白人至上主義組織と戦う姿が描かれる本作。70年代をビジュアル、風俗、音楽で再現し、その頃のアクション映画やテレビドラマを思い起こさせて懐かしい。相手を喰うような言動のロンがKKKに立ち向かう。ジョン・デヴィッド・ワシントンは父デンゼルと異なり、中々の口八丁手八丁ぶりが可笑しい。

ロンの相棒フリップを演じるはアダム・ドライバー。カイロ・レンでマイナスイメージの彼もSW以外の作品こそ真骨頂。フリップは危険な表舞台に立ってロンをサポート。そんなロンとフリップはKKK幹部を煙に巻き、コロラドスプリングズ支部の仕掛ける事件に立ち向かう。そのやり取りも時にシリアス、時に笑わせてくれた。

ただ本作が黒人VS白人を訴える作品でない事に注目したい。様々な人種が絡み合う国である事、黒人団体にKKK共に警察を同じスラングで呼ぶ事、そしてラストにおける現実等、その中で考えさせられる点は多い。軽妙に進んでいた物語もラスト数分はスパイク・リー節に溢れる。今年のアカデミー賞授賞式での彼の言動にも直結するだろう。

ラストシーンの余韻と共にエンドロールに流れるは、殿下ことプリンスの未発表曲「Mary Don’t You Weep」。彼の活動をみれば意味深いであろう、歌詞の和訳字幕は入れて欲しかった。

軽妙でテンポよく見せるが、実はテーマは硬派。アメリカの歴史の一端、現代に繋がるテーマとして本作を観て欲しい。

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シリーズ 平成を振り返る(その1:PDAとか)

いよいよ平成が終わるまで二ヶ月を切った。昭和に生まれ、平成、そして次へと三つの年号を跨ぐなんて思いもしなかった。そこで懐かしさを込め、テーマを決めて平成を振り返ってみたい。

個人的に振り返ってみると、モバイルコンピューティングなんて言葉がもてはやされた頃、IBMのThinkpad535(その後はソニーVAIO C1からVAIOノート)にモデムカード、ソニーの携帯電話やPHSカードを繋いで馬券購入をした事もある。Windows用のJRA-PATソフトの相性、コマンド入力等色々苦労した。

それに競馬場へ持って行きようにもバッテリが半日しか持たず、当時高額なモバイルバッテリを使ったりした。荷は重く「モバイル=苦痛の中で楽しむ」ような感じで、若いからできたようなものだった。それでも楽しかったのは間違いない。

モバイルで忘れられないのがCLIE。今は亡きPalm OSを搭載したソニーのモバイル端末である。PEG-T600C、PEG-TH55、珍しさでPEG-UX50の中古と3台のCLIEを所有したが、最も愛着があったのはPEG-TH55だ。Graffitiと呼ばれる手書き入力が懐かしい。しかもGraffiti領域がソフト化され、Webや写真が全面表示できるようになった。

色の違いで3倍速い訳ではないが、赤い限定モデルはステータス。当時、31万画素のカメラで現場記録を撮ったり、会社のグループウェアサイボウズと同期してスケジュール管理していた。記憶容量は当時のメモリースティックじゃたかが知れていたし、通信手段は無線LANとBluetooth経由でケータイ接続にCPUの能力不足で貧弱。かったるさだけが記憶に残る。そしてTH55発売から間もなくソニーはCLIEを撤退させる事になる。それでもしばらくの間はCLIEを使っていた。

3年後の2007年、iPhoneが発売され、一般レベルに情報端末が浸透。PDAは死語となり、今やiOSにAndroidとスマートフォン、タブレットが全盛。iPhone登場以降、ハードの進化、通信環境の整備と共に皆が手の上で当たり前のように情報を扱う時代となった。

その後は通信機能のないiPhoneことiPod touchで満足。iPhoneやiPod touchをPDAと呼ぶ人はいない。もはや死語。CLIEのもっさり感に比べれば何の不自由無し。しかもアプリが面白い。やっと3年前にiPadminiと共に通信の自由を手に入れた。EvernoteにTeamviewerとパソコンと作業を共有。これが30年の顛末。

iPhone6sを手に入れてもデータ通信のみ。通話に使わないのは主要キャリアのデータ通信料の高さゆえ。平成の終わり、次年号では料金体系が変わるという。使っても月5G以下。そんなのに3千円近い通信料を使う気はない。果たしてどんな結末が待っているだろうか。

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2019/03/15

「凶悪」を観る、そしてピエール瀧

シネフィルWOWOWで録ってあった「凶悪」を観た。山田孝之主演、白石和彌監督作品。実話をベースにしたフィクション。劇場公開当時、盟友N氏絶賛の映画でもある。ただ今観るにはバッドタイミング、少し勇気が必要だった。

須藤は連続殺人犯として逮捕され、死刑囚の身にあった。そんな彼からの手紙を受け、雑誌記者の藤井が面会する。そして須藤はもう一人の主犯の名を挙げ、その男の記事を書いて欲しいと依頼した。藤井は各々の事件に接点の無さを感じたが、やがて須藤の発言で点が結ばれていくにつれ、もう一人の主犯の姿に確信を持つのだった。

冒頭、須藤は躊躇いもなく次々と人を殺めていく。物語が進んでそれらの詳細は描かれていくのだが、あくまでモンタージュ扱いながら衝撃的だ。そのやり取りはまるで「その男、凶暴につき」の我妻をヤクザにしたような男。そして車中でクスリを打つ姿。何と見てよいのか。

須藤を演じるのはピエール瀧。ニュースでご存知の通り、薬物所持で逮捕された。

しかしながら本作の彼は神憑り的、一世一代の演技。獄中では険が取れた表情をするかと思えば、意に沿わない事で怒りを露わにする。家族、仲間を愛すも、情の脆さから故に舎弟の事を見誤らせ、罠に嵌ってしまう。最初に事を起こした後のパーティーシーンが特に可笑しいが、須藤の出る箇所は全て名シーンと言える。本作で瀧は助演扱いながら映画賞を総ナメ。主役の山田を喰う程の存在感を示した。

白石監督のストーリーテリングの巧さは一つの事件に二重三重の物語を重ねる事。群像劇の面白さも兼ね備える。山田演じる藤井が取材する背景、そして彼の家族。その贖罪に事件の真相に迫る執念。全体では山田、瀧は対等な立場でぶつかり、物語を進めていく。

そしてもう一人の主犯、先生こと木村が現れる。演じるはリリー・フランキー。須藤に負けない狂気。しかも土地ブローカーをやるくらいに頭がいい。木村が金の匂いを感じ、ターゲットを誘導。あらゆる方法、それが死であっても臆する事はない。ちなみにこの映画、まともな人間って出てこないかもしれない。

そして彼ら三人が終盤、別の舞台でぶつかり合う。そしてスクープした藤井の代償、単純バカに思えた須藤の真意が明らかになる。それもまた怖い。何とも言えない後味の悪さもいい。さすが白石和彌監督の作品だ。

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「日本で一番悪い奴ら」「孤狼の血」とピエール瀧は白石組の常連。同じく出演の「麻雀放浪記2020」は上映禁止の憂き目に遭うも、無事上映される事が決まった。いや無事とは言えないか。でも白石作品としては是非観たい。

初めてピエール瀧を映画、劇中で見たのは「三丁目の夕日」だったと思う。冷蔵庫の登場に寂しさを滲ませる氷屋役だった。そして映画、テレビで小さい役を積み重ね、今では欠かせない俳優になっていく。主役を張ったNHK版「64(ロクヨン)」も本当に素晴らしかった。

こうした役者に加え、本業の電気グルーヴの音楽活動にバラエティーと幅の広さ。それこそビートたけしの言う振り子の振り幅に当たる。だから魅力的に映る。でもその裏に薬物の存在があったのなら、ノーサンキューだ。

静岡県民にとってピエール瀧は特別。出身県は当然ながら「しょんないTV」の存在も大きい。隔月1回の頃から週1のレギュラー放送と楽しませてもらった。でも相棒の広瀬アナの無念の涙と共に突然の終了。こんな終わり方はノーサンキュー。

これまでこのブログでは瀧さんと敬称を付けてきた。でもこれもケジメ。後は世間と時間が判断するだろう。まずは法の下で裁かれていく。でもこのニュース以降、空いた穴に愕然とさせられた。本当に逮捕された日の朝はつらかった。もうこんな出来事はノーサンキューである。

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